50代以上の女性向けマーケティング支援会社を率いる木船 信義(ハルメク・エイジマーケティング代表取締役社長)、ヒット商品を続々と生み出す貴代、新卒入社から9年ハルメク本誌編集に奮闘中の由香の三人が、入社のきっかけから現在に至るまでのキャリアについて、そして「ハルメクらしさ」について、とことん本音で語り合った鼎談の様子をお伝えします。
木船 信義(きふね・しんぎ)
株式会社ハルメク・エイジマーケティング
代表取締役社長
貴代
通販本部 暮らし・ヘルスケア課課長
由香
コンテンツビジネスユニット ハルメク編集部
―― 最初に、ハルメクに入社した経緯やきっかけについて教えてください。
僕は中途採用で、宮澤さん(株式会社ハルメクホールディングス代表取締役社長)に声をかけていただいて「この会社ならダイレクトマーケティングを勉強できるぞ」と感じたことがきっかけで入社しました。
わたしは友だちに誘われて、大学卒業後も“いきいき”<現ハルメク>コールセンターのアルバイトとして働いていました。しばらくして「就職をしたいから辞める」と話したら、当時の上司に「うちを受けてみたら」と言われたのがきっかけです。
わたしはいわゆる「新卒採用」です。就職活動では、大学でマーケティングを専攻していたので広告代理店か、アルバイトをしていて興味があったウェディング関連を中心に受けていました。出版社で受けたのはハルメクだけで、ハルメクも含めていくつか内定をいただきました。
「日常の中で誰かの楽しいとか幸せにつながる仕事がしたい」と思って、ハルメクへの入社を決めました。
ハルメクは大人世代向けで、若い世代からするとちょっとわかりづらい会社なのかもしれないなと思います。22歳とか23歳で「50代からより良く生きる」とか聞いても、今ひとつピンとこなかったのではないか。新卒入社だった由香さんは、こういったビジネスをうまくできるのかという一抹の不安を持つことはなかったですか。
普通に就活サイトなどを見て会社の情報は得ていましたし、「いきいき(現ハルメク)」は祖母が読んでいるイメージもありました。それほど「自分の知らない世界」みたいな距離は感じなかったですね。
とはいえ入社直後は、読者さんも皆さんかなり年上の方ですから、頼りなく思われているのかな、ハルメク世代の気持ちをわかっていないと思われないかな、と、気にしていた時期はあります。でも、お客さまと接するうちに、そうした戸惑いや不安は自然となくなるので、心配しないでほしいですね。20代ではハルメク世代のことがわからなくて当然ですから、逆に知ったふりをしないで、お客さまに聞きながら学んでいくことが大切かなと思います。
お客さまから学ぶというのは、ハルメクの特徴でもありますね。出版業界に就職することで、将来性に対する不安はなかったですか?
紙媒体がなくなるとは思わなかったし、たとえなくなったとしてもコンテンツとしては形を変えて続いていくだろうなとは思ったので、不安はなかったです。
でも、わたしが入社してからさらに9年経っているので、出版業界の将来性を不安視する学生の方もいるかもしれませんね。
ハルメクグループはコンテンツ事業、通販、広告代理事業、ヘルスケアと、さまざまな分野に発展しているので、まだまだ進化していくと思っています。出版社ではありますが、領域は非常に広いですから、ハルメクの未来に期待していただきたいです。
―― 新卒入社について伺いたいのですが、研修などありましたか?
はい、ありました。当時の研修の主な目的は「お客さまを知ること」で、お客さまセンターや店舗、イベントの部署などを2ヶ月単位でめぐりました。
なるほど。それで希望を出して配属が決まるという流れですか。
そうですね、すべての希望が通るわけではないと思いますが、わたしは、やりたかった編集職で、しかも興味のあったコスメだったのでとても嬉しかったのを覚えています。
配属された当初は「編集長」という存在になんとなく怖いイメージがあり、見出しとかタイトルまわりを見る「編集長チェック」に怯えていました(笑)。
もちろん厳しい意見も言われますが、「読者に響くかどうか」の視点で筋が通った指摘をしてくれるので、とてもわかりやすく、非常に学ぶことが多かったです。
役職が上の人というだけでつい「怖そう」みたいに思ってしまう人もいると思うけど、ハルメクではそういう感じではなさそうだけど。
はい。実際に働いてみると年齢や肩書が上だからといって萎縮するようなことはありませんでした。でも学生から社会人になりたての、最初の頃は本当にドキドキだと思います。わたしは社内ではたぶん、かなり新卒の皆さんに近い方なので、これから入社する皆さんと、たとえば編集長をはじめ、社内のいろいろな方々との架け橋になれたらいいなと思っています。この記事を見て、入社してくれた人がいたら、ぜひ声をかけてほしいですね!
―― では実際に入社して、いかがでしたか?
僕はハルメクに入って2年間通販マーケティングを担当し、まさにダイレクトマーケティングのキャリアを積上げたわけですが、当時の私を見ていた宮澤さんから、ある時新規事業開発を託されました。当初は新しい取り組みなのでなかなか大変で、もう辞めようかと思ったことも幾度とありましたが、揺れ動きつつも踏ん張り続けたら今があるという感じです。宮澤さんも、若かった僕に新規事業を子会社にすることを任せてくれたのは、勇気がいることだったろうなと思います。
ほんの数ヶ月前まで大学生だったので、会議に出ても専門用語とか、社内で通じる独特の言葉とかもわからないので戸惑いました。たとえばハルメクでは「勝ちパターン」という言葉をよく使います。当初は「そのパターンって何?」とポカンとしていました。社内独特の言い回しはどの会社にもあるかと思いますが、まずそれに慣れるまでが新人の大変さかもしれません。
新卒入社ならではのリアルな経験談ですね。
ハルメクは読者さんの存在が非常に重要かつ大きいです。先輩社員は当然ながら読者の意識をつかんでいますし、中途採用の方はすでに持っている強みを活かして読者さんとの接点を作り理解を深めていく。それはやはり経験からくるものなので、わたしも撮影で読者さんとお会いして話をするうちに、だんだんと「この前、先輩たちが話していたのは、このことだったのか」と腑に落ちて、理解できるようになりました。経験を積んで3年目になる頃には、読者さんの気持ちに応える誌面づくりをしようと自分で工夫できるようにもなり、仕事がより一層楽しくなりましたね。
それこそずっとコールセンターで仕事に慣れすぎていた面もあって、新しい挑戦をしたいと思ったのがちょうど入社して3年目くらいでした。それでシステム部の立ち上げを、上司とふたりで始めました。わたしはシステムと言われても何も知識がなかったので、課題を書き出すことから始まって、ひたすら奮闘の日々でしたね。
ところが、システム部もそのうちエンジニア系とか専門知識のある人が入ってきて、ちょっと自分が場違いな気がしてきたので、上司や周りの人に相談して、業務管理に異動しました。
商品の購入とかデリバリーとか、プロダクトに関わるうちに興味がふくらんで、今は通販本部で暮らし・ヘルスケア課を見ています。
貴代さんは、ハルメクMSMクリームとか、売上トップ10入りする大ヒット商品を手掛けた代表的なMD(マーチャンダイザー)ですよね。実績と経験を積み上げながら、時には希望を出して自ら異動して、キャリアを形成していったわけですね。
―― 苦労したことやたいへんだったこと、それをどう乗り越えたかについて教えていただけますか?
忘れられないのが2017年ですね。売上が本当に悪くて、何をしても売れない。売れないから次々と新しいアイテムを出すのですが、それも売れない。負の連鎖で本当に落ち込みました。
ハルメクはPDCA(計画・実行・評価・対策)サイクルを大切にしています。業務改善のサイクルになりますが、基本に立ち返り、なぜ売れなかったのかを徹底的に考えました。
ダメな理由をとことん突き詰めて考え抜き、そこから次はこういうやり方にしようと試してみた。「トライアル&エラーで挑戦していかないと実現できない」というのは、宮澤さんの言葉ですが、とにかく考えてはチャレンジする繰り返しの中で、少しずつ上向きになっていきました。また失敗するかもしれないけれど、常にチャレンジさせてくれる企業のスタンスがある。おかげで入社以来20年、ここまで進んでこられました。
「トライアル&エラー」もハルメクグループの特徴ですね。
わたしも最近知ったことですが一般的に出版社は雑誌の企画からできあがるまでは3ヶ月サイクルが多い。でもハルメクはその倍の6ヶ月をかけ、最初の3ヶ月で非常に緻密な調査を行っています。3〜4ヶ月に1回、調査の担当が回ってくるのですが、ふたりペアで行って、上司へのプレゼンから始まり、最後は社長も入る企画会議にまであげていきます。これがなかなか通らなくて何回もやり直しをすることがあるわけです。
でも最終的に通った時は本当に嬉しいし、達成感もあるし、やりがいも感じられるから、また次の挑戦につながります。
はからずも、ふたりともハルメクホールディングスの真髄を語っていますね。ハルメクのコアバリューは「Action」「Challenge」「Teamwork」ですが、主体性を持って的確に考え行動するとか、より良いもの・より高いレベルに挑戦するとか、まさにふたりが話していたことがあてはまりますね。
一般的な出版社とは違って、ハルメク編集部は広告制作も調査設計も行いますし、自分たちで執筆もするし、座談会も采配します。編集だけに関わるのではなく、読者さんが求めていることに応えるために最初から最後まですべて行う、そうした経験ができるのはハルメクならではだと思います。
通販も一緒です。商品の写真も、説明も、全部自分たちでやります。なぜなら、自分たちが誰よりその商品について知っているし、読者の皆さんに届いてほしいという思いがあるからです。通販ですが「売って終わり」とは考えていません。生活を変えていく提案をすることもコンセプトにしているので、お客さまの生き方・暮らし方に関わっていきたいと思い、日夜、読者の方が求める商品について考えています。
仕事ですから、大変なことも当然ありますが、「答えはお客さまの中にある」を念頭に置いて動けば、乗り越えていけると思います。
―― ここまで仕事の内容について触れてきましたが、社内の雰囲気などについても教えてください。
僕は、先輩後輩などのヒエラルキーは少ないほうだと感じていますが、ふたりはどうですか?
体育会系みたいな感じはないですね。
年齢が上の方でも気軽に話せますし、一緒にランチもしますし、あたたかい環境ですね。
それから、いい意味で、まじめな人が多いです。ノリや勢いではやらない、論理的に行うことが浸透している印象があります。
そうですね、まさにロジカルシンキングはハルメクでは重要なポイントです。きちんとファクトを持った上で答えをだしていく、それを丁寧に行う意味でも「まじめ」という印象はありますね。
全社員に共通しているのは、お客さまとの信頼関係を大事にしていることだと思います。お客さまと真剣に、誠実に向き合うという文化が醸成されています。それも「まじめ」につながっているのかも。
宮澤さんは、「お客さまの意見をきちんと聞きなさい、そのファクトを抑えなさい、お客さまのニーズを抑えなさい」という強い意志を社内に伝え続けています。
「困ったらお客さまに聞きなさい」とは、よく言われました。ハルメクの特徴として、お客さまとの深いつながりや信頼関係があると思います。お客さまと話す中で蓄積される知見は大きな財産になります。
わたしも気づいたらお客さまと40分くらい電話で話し込んでいることがありました。今日、話していて思ったのですが、やはり最後は「お客さま」に戻る。お客さまの中に答えがある、だから困ったらお客さまに聞きなさいということなのだと思います。
もうひとつ、つけ加えたいのが福利厚生についてです。ライフステージの変化に会社が非常に柔軟な対応をしてくれます。今、わたしは2歳の子どもがいますが、急な発熱でも、自分で時間をやりくりしながら仕事を調整できる裁量労働なので、とても助かっています。わたしはフルタイムで働いていますが、もちろん時短勤務も可能です。ライフスタイルが変化しても、ひとりひとりの環境や状況に合わせて働きやすさが変わらないというのも、ぜひ皆さんに知ってほしいです。
―― では最後に三人を代表して、木船さんから、就職先に考えてくれている皆さんにエールとメッセージをお願いします。
就活をしている皆さんに、「自分を必要としてくれるところに行くのが一番いい」「入社したら目の前の仕事を必死にこなそう」というのが、僕の率直なアドバイスです。逆に言うと、採用してくれたところは「あなたを必要としていますよ」という会社ですから、たとえばハルメクグループを志望してくれて採用となったら、とにかく目の前の仕事を一生懸命やってほしいと思っています。
ハルメクでは、「ファクト・課題形成・だからこうする」というビジネスの基本ステップを徹底的に学べます。いわゆるポータブルスキルで、どの分野に行こうと必要とされるビジネススキルですから、きっと将来にわたって役立つことでしょう。
今の学生は、凄まじいスピードで変化する時代に適応しながら、国際競争を生き抜くビジネスパーソンをめざさなくてはなりません。僕らの若い頃よりも、数倍、大変かもしれない。でも、その大変な時こそ、成長するチャンスです。この会社は、短期だけでなく、中期、長期で人材の成長を見守っています。皆さんのActionを、Challengeを、必ず見守っています。そしてTeam Workの精神で一緒にがんばっていきましょう。両手を広げて、待っています!
※この情報は2024年3月現在のものです