プレスリリース

【仕事・ボランティアに関する意識と実態調査2024】 50代~70代の就業率の割合は48.1%

株式会社ハルメク・エイジマーケティング

 女性誌販売部数No.1(※1)雑誌「ハルメク」などのマーケティングやリサーチのコンサルティングを通じて、50代以上のインサイトを日々探求する、ハルメク 生きかた上手研究所は、50~79歳のハルトモの女性501名を対象に「仕事・ボランティアに関する調査」をWebアンケートにて実施しました。
 (※1)日本ABC協会発行社レポート(2023年7月~12月)

【 調査サマリ 】

 ■50~70代の就業率は全体で48.1%。就業者層の方が非就業者層に比べて世帯年収が高い一方で、幸福度は低い。
⇒50代は74.7%と高く、60代は54.9%、70代は15.9%と年代が上がるにつれて就業率は低くなっている。
⇒50代~70代全体の平均世帯年収は546万円。就業有無別に比較すると、就業者の平均世帯年収は608万円、非就業者は491万円と、就業者の方が非就業者に比べて100万円以上高い。
⇒幸福度を就業有無別に比較すると、就業者は非就業者に比べて現在の幸福度が低い。
 
■現在の仕事の不満点は「給与額、収入」「福利厚生」「仕事環境・設備」など、 金銭面の待遇や仕事環境への不満が多く挙がっている。
⇒50代は特に「給与額、収入」の不満が高く、「仕事量」「仕事内容」に対する不満も60代に比べて約10ポイント高い。
 
■過去仕事をした経験は98.0%と、社会経験がある人がほとんどを占める。
⇒現在就業もしくは過去就業経験のある人のうち、転職経験がある割合は76.6%。転職経験無しも含めた母数で平均約2.7回転職をしている。
⇒これまで就業したことのない人も含め、新しい仕事への就業意向は28.3%。
 
■現在就業者の「死ぬまで」働いていたい人の割合は9.5%。
⇒65歳を超えても働きたいと思っている人の割合は86.7%。
 
■仕事をする理由として、お金を稼ぐことよりも社会とのつながりを理由に挙げている割合が高い。 「仕事を通じた学び」「生活リズムを整える」ことを挙げている人も
⇒仕事をする理由として上位に挙がったのは、「社会との関わりを得たいから」「人とのコミュニケーションを得たいから」「仕事を通じて自分が役立っていると実感できるから」。
⇒「老後の資金を確保したいから」は9位、「日々の生活費を得たいから」は11位と、お金を稼ぐことよりも社会とのつながりを理由に挙げている割合が高い。
⇒そのほか特徴的なものとして5位に「仕事を通じて学びが得られるから」、6位に「生活リズム、生活スケジュールを整えることができるから」が挙げられている。
 
■ボランティア活動実施率は50.9%。具体的には「募金・収集」次いで「子育て支援」、「シニア支援」。
⇒現在ボランティア非実施者も36.6%が今後ボランティア活動を実施したいと回答。
⇒ボランティア活動を行っている、もしくは行いたい理由は「社会に対して貢献したいと思うため」「社会との関わりを得たいから」「活動を通じて自分が役立っていると実感できるから」がTOP3。

【調査背景】
ハルメク 生きかた上手研究所は、シニアのインサイトについて調査・分析を行っています。少子高齢化による労働力不足が日本の課題となっている中、シニア世代の働き方が注目されています。「働き方改革」の中でも「65歳以上の就業促進」はテーマの一つです。現在シニア女性はどのような働き方をしているのか、そして、今後どのような働き方をしたいのか、この点を探るべく、ハルメク 生きかた上手研究所では「50~70 代女性の仕事・ボランティアに関する調査」を実施いたしました。
※調査主体の「ハルメク 生きかた上手研究所」所長への取材、コメント提供も可能です。
 
【調査概要】
調査方法:WEBアンケート
調査対象・対象者数:50~79歳の全国のハルトモ(ハルメクのモニター組織)の女性・501名
調査実施日:2024年3月29日(金)~4月1日(月) 
調査主体 :株式会社ハルメク・エイジマーケティング  ハルメク 生きかた上手研究所
※ 調査結果のパーセンテージは、小数点以下第2位を四捨五入したため、総数と内訳の合計が一致しないことがあります。
※ 本リリース内容を掲載いただく際は、出典「ハルメク 生きかた上手研究所調べ」と明記をお願いいたします。

50~70代の就業率は全体で48.1%。 就業者層の方が非就業者層に比べて世帯年収が高い一方で、幸福度は低い。

  • 50代は74.7%と高く、60代は54.9%、70代は15.9%と年代が上がるにつれて就業率は低くなっている。
  • 50代~70代全体の平均世帯年収は546万円。就業有無別に比較すると、就業者の平均世帯年収は608万円、非就業者は491万円と、就業者の方が非就業者に比べて100万円以上高い。
  • 幸福度を就業有無別に比較すると、就業者は非就業者に比べて現在の幸福度が低い。

現在の仕事の不満点は「給与額、収入」「福利厚生」「仕事環境・設備」など、 金銭面の待遇や仕事環境への不満が多く挙がっている。

  • 50代は特に「給与額、収入」の不満が高く、「仕事量」「仕事内容」に対する不満も60代に比べて約10ポイント高い。

過去仕事をした経験は98.0%と、社会経験がある人がほとんどを占める。

  • 現在就業もしくは過去就業経験のある人のうち、転職経験がある割合は76.6%。転職経験無しも含めた母数で平均約2.7回転職をしている。
  • これまで就業したことのない人も含め、新しい仕事への就業意向は28.3%。

現在就業者の「死ぬまで」働いていたい人の割合は9.5%。

  • 65歳を超えても働きたいと思っている人の割合は86.7%。

仕事をする理由として、お金を稼ぐことよりも社会とのつながりを理由に挙げている割合が高い。 「仕事を通じた学び」「生活リズムを整える」ことを挙げている人も

  • 仕事をする理由として上位に挙がったのは、「社会との関わりを得たいから」「人とのコミュニケーションを得たいから」「仕事を通じて自分が役立っていると実感できるから」。
  • 「老後の資金を確保したいから」は9位、「日々の生活費を得たいから」は11位と、お金を稼ぐことよりも社会とのつながりを理由に挙げている割合が高い。
  • そのほか特徴的なものとして5位に「仕事を通じて学びが得られるから」、6位に「生活リズム、生活スケジュールを整えることができるから」が挙げられている。

ボランティア活動実施率は50.9%。 具体的には「募金・収集」次いで「子育て支援」、「シニア支援」。

  • 現在ボランティア非実施者も36.6%が今後ボランティア活動を実施したいと回答。
  • ボランティア活動を行っている、もしくは行いたい理由は「社会に対して貢献したいと思うため」「社会との関わりを得たいから」「活動を通じて自分が役立っていると実感できるから」がTOP3。

【専門家の見解】
ハルメク 生きかた上手研究所 所長 梅津 順江(うめづ ゆきえ)
2016年3月から現職。主に年間約900人のシニアを対象にインタビューや取材、ワークショップを実施

50歳以上女性のキャリアは想像以上。人生後半も社会活動に意欲的

 『自分は、きっと想像以上だ。』(某飲料メーカー)、『あなたのキャリアは、想像以上だ。』(人材紹介サービス)という名コピーがありますが、『50歳以上女性のキャリアは想像以上だ』というのが今回の調査から感じたこと。予想よりも50~70代女性の社会経験と意欲は高い結果でした。驚いた数字を並べてみます。過去仕事経験率98.0%、現在の就業率48.1%、現在もしくは過去就業したことのある人の転職経験76.6%、転職平均回数2.7回。新しい仕事への意向度28.3%、ボランティア活動実施率50.9%、ボランティア活動意向度55.5%。人生を折り返しても、仕事やボランティアに積極的な態度を示しています。
 しかし自由記述には、苦労話や経験が綴られました。「結婚が決まると仕事内容が補助的に」「女の子はニコニコ笑っていれば良いと上司に言われがっかり」「ポジション争いが激しくなって仲間の裏切りに心底傷つき、辞めた」「病気で休養したいと言ったら、女の子の替えはいくらでもいるから、すぐ辞めていいと言われた」など。一方、逞しくしなやかに乗り越えた経験や仕事で得た喜びも複数みられます。「会社組織を信用しすぎるのは良くないと、自分で個人事業をスタート」「先輩方のおかげで人として成長させてもらった。多くのハラスメントのシャワーを浴びていたけど毎日が楽しかった」「最高位の方が、小さいお嬢さんの淹れたお茶は美味しい。直ぐに分かると言ってくださった。雑用でも認めていただけて嬉しかった」「毎日コツコツ英語の勉強をしていたら、外国人との交渉に参加させてもらえた。努力は必ず報われる」など。酸いも甘いも含めた豊かな人間関係や社会経験をしてきた世代だからこそ、新たな人や社会とのつながりや学びにも前向きなのかもしれません。
 現在ボランティア非実施者であっても36.6%がボランティア活動に意向を示しています。ボランティア実施の動機は仕事をする理由と同じで、「社会貢献」の他、「社会との関わりを得たい」「自分が役立っていると実感できる」からが上位。「他者を助けてあげたい」という他人行儀な理由は10位でした。年を重ねるとより一層、「自分の喜び」と「人・社会の喜び」が重なってくるということなのかもしれません。

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