【お正月に関する調査2024】50代以上の8割超がお正月に「おせち」を食べている 大半が「おせち」を購入しており、 今年(2024年)のおせちを準備するためにかかった費用は平均20,671円
株式会社ハルメク・エイジマーケティング
女性誌販売部数No.1(※1)雑誌「ハルメク」などのマーケティングやリサーチのコンサルティングを通じて、50代以上のインサイトを日々探求する、ハルメク 生きかた上手研究所は、50~86歳のハルトモの女性611名を対象に「お正月に関する調査」をWEBアンケートにて実施しました。
(※1)日本ABC協会発行社レポート(2023年7月~12月)
調査結果のポイント
- 年間「行事食」の中で食べた割合が高いのは、お正月と大晦日で9割前後。今年(2024年)のお正月に「おせち」を食べた人は8割を超え、食べた人のうち86.4%が満足している。
- 今年のおせちを準備するためにかかった費用は平均20,671円。高年代ほどお金をかけている傾向がみられた。
- 今年おせちを食べた人のうち、「全て手づくり」した人は1割に満たなかった。おせち購入者の3割は「冷凍の詰め合わせおせち」を利用しており、70代以上での割合が高い。
【調査背景】
ハルメク 生きかた上手研究所は、50代以上女性のインサイトについて調査・分析を行っています。ハルメクは「おせち」の販売を始めて19年の実績があり、現在、「おせちキャンペーン」を実施中です。それに合わせて、ハルメク世代の方々にお正月の過ごし方やおせちについて聞いてみました。
【調査概要】
調査方法:WEBアンケート
調査対象・有効回答者数:50~86歳の全国のハルトモ(ハルメクのモニター組織)の女性・611名
調査実施日:2024年9月4日(水)~9月9日(月)
調査主体:株式会社ハルメク・エイジマーケティング ハルメク 生きかた上手研究所
※ 9月18日(水)にハルトモ女性5名(59~76歳)による「お正月やおせちに関する座談会」も実施。
※ 調査結果のパーセンテージは、小数点以下第2位を四捨五入したため、総数と内訳の合計が一致しないことがあります。
※ 本リリース内容を掲載いただく際は、出典「ハルメク 生きかた上手研究所調べ」と明記をお願いいたします。
※ 調査主体の「ハルメク 生きかた上手研究所」所長への取材、コメント提供も可能です。
年間「行事食」の中で食べた割合が高いのは、お正月と大晦日で9割前後。今年(2024年)のお正月に「おせち」を食べた人は8割を超え、食べた人のうち86.4%が満足している。
- 昨年2023年9月~今年2024年8月の1年間に食べた行事食をみると、「お正月」が93.5%で最も多く、次いで「大晦日」88.4%、「クリスマス」76.6%、「節分」71.4%と続く。
- 2021年に実施した行事食調査の結果と比べても、お正月・大晦日に関してはほぼ変化がなかった。(2021年調査 n=470「毎年食べている行事食」として質問。お正月93.6%、大晦日84.7%)
- お正月の「おせち」に限定すると、「食べた」が83.3%(509名)で、そのうち86.4%が満足している。
- 満足理由としては、「美味しかった」以外に、「品数の多さ」や「食べやすい大きさ」「大勢で食べるのが楽しい」などが挙がっている。
- 座談会でも、おせちを囲んで家族との会話を楽しんだり、思い出にひたるなど家族との時間を享受している様子がうかがえた。
今年の「おせち」を準備するためにかかった費用は平均20,671円*。高年代ほどお金をかけている傾向がみられた。
- 「おせち」を手づくり、もしくは購入した人に、「おせち」の準備にかかった費用をきいたところ、平均額は20,671*円であった。年代別にみると、50代が最も低く、60代、70代と年代が上がるにつれて高くなり、高年代ほどお金をかけている傾向がみられた。
今年おせちを食べた人のうち、「全て手づくり」した人は1割に満たなかった。購入者の3割が「冷凍の詰め合わせおせち」を利用しており、70代以上での割合が高い。
- 今年食べたおせちを「全て手づくり」した人は、わずか7.7%にとどまった。
- 購入したおせちの内容をみると、3割が「冷凍の詰め合わせおせち」を購入している。
- 「冷凍の詰め合わせおせち」の購入割合は高年代ほど多い。
- 座談会では、「冷凍おせち」に対して抵抗感がないどころか、利点が多く挙がった。具体的には、「解凍タイミングを調整することで、自分のスケジュールに合わせて食べられる」「冷蔵に比べて味が濃すぎない」「素材の味が楽しめる」「日持ちさせるための保存料を使う必要がないので安心」などである。なお、「冷凍庫の場所をとる」「解凍がうまくできない」というデメリットも挙がった。
「お正月やおせち」に関する座談会 レポート
実施日:2024年9月18日(水)10:00~12:00
参加者:ハルトモ女性5名(59~76歳)(アンケートにて参加希望者を募り、抽選)
場 所:千代田区神保町 株式会社ハルメク社内会議室
【座談会の要約】
- おせちは、日本の伝統文化なので大事にしていきたい、という。60,70代の今回の参加者は、元旦と2日に、子供や孫世代を迎えたり、実家で親と一緒におせちを食べていた。おせちはお正月に欠かせないものとして、大事に次の世代に継承している様子がうかがえた。
- おせちの準備については、すべて手づくりは時間的にも体力的にも難しいので、手づくりの煮物やきんぴらと市販のおせちを組み合わせて量も充実させたい意向がみられた。「黒豆や数の子などが、なぜおせちに入っているのか」を家族と話しながら食べるので、「意味ある品目はなくしたくない」という願いも聞かれた。
- 「詰め合わせおせち」を選ぶ際に重視する点は、自分では作れないもの、見た目も楽しめるものが挙がった。また、「間違いたくない」という意識から同じ企業や商品からおせちを継続購入するケースが目立ったが、何となく飽きも出てくるので、「New!」「新登場」などのフレーズも必要とされた。
- 「冷凍の詰め合わせおせち」には抵抗がない。むしろ、「解凍を自分のスケジュールに合わせて調整しやすい」「素材の味を楽しめる」「保存料を入れなくて済む」などメリットが多いとされた。
- 「詰め合わせおせち」の購入単位は、2人前、5~6人前が目立った。「1人前×人数分にすると贅沢感を味わえる」という話題も挙がった。
- おせちのカタログ到着時期に関しては、「8月頃でも早すぎず、すでに予約済」という者と、「まだまだ先と忘れてしまう」という意見に分かれた。
【専門家の見解】
ハルメク 生きかた上手研究所 所長 梅津 順江(うめづ ゆきえ)
2016年3月から現職。主に年間約900人のシニアを対象にインタビューや取材、ワークショップを実施。
冷凍おせちを活用することで体の負担が減り、家族とゆっくり過ごせる
50代以上の女性は、お正月におせちを食べることは変わらぬ習慣として定着しています。24年も8割以上がお正月におせちを食べています。変わったことといえば、おせちという行事食にお金をかけるが、時間は省力化していること。「全て手づくり」した人は1割未満でした。特に、70代以上が平均22,844円をかけておせちを準備し、「冷凍の詰め合わせおせち」を上手く利用するようになっている点はたいへん興味深いです。まさに「シニアは体(タイ)パ」ということではないでしょうか。冷凍おせちを活用することで、時間だけではなく、体の負担を減らすことができます。そして、ラクなのに品数の多いおせちを食卓に並べたいという欲求も満たせます。昔から伝わる風習やしきたりを大事にしながらも、縛られすぎることなく、全て手作りせずに冷凍おせちを賢く活用している実態は、おせちを展開している企業としても嬉しいことです。
インタビューでは、「買ったおせちでも、おせち料理を食べると厳かな気持ちになれる」(59歳)、「帰省した子供となるべくおしゃべりしたいから、おせちは買うようにしている。お正月はのんびりしたい」(69歳)、「毎年恒例で子供も孫も来るからくたびれる。お煮しめだけは作るが、毎年冷凍の詰め合わせおせちを注文」(76歳)など、詰め合わせおせちを買うことに好意的な発言が複数ありました。
冷凍おせちを選んでいる理由は、時間が効率的に使えて、体にやさしいだけではありませんでした。「自分のスケジュールに合わせて解凍のタイミングを調整できる」「保存料が入っていなくて安心」「持たせなくていいからか、冷蔵品より味が濃すぎない」などの利点も。一昔前に頻出した「冷凍おせちは水っぽくておいしくなさそう」という抵抗感やマイナスイメージは殆ど聞こえてきませんでした。
25年のお正月も大多数の家族が集まって、当該世代に浸透している「冷凍おせち」を囲みながら、楽しく談笑する光景が浮かんでいます。まだ少し早いですが、よいお正月が迎えられますように。
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