女性誌販売部数No.1(※1)雑誌「ハルメク」などのマーケティングやリサーチのコンサルティングを通じて、50代以上のインサイトを日々探求する「ハルメク 生きかた上手研究所」は、50~86歳のハルトモの女性575名を対象に「幸福に関する意識と実態調査」をWebアンケートにて実施しました。
(※1)日本ABC協会発行社レポート(2023年7月~12月)
【 調査サマリ 】
■50~86歳女性の幸福度平均は10点満点(0~10点)中7.84点。2年前とほぼ変わらず
⇒全体575名の幸福度平均点は7.84点。2022年の7.77点から大きな変化はなかった。
⇒2024年版世界幸福度報告(※2)における1位フィンランドの7.74点と同水準、日本人(全世代)の幸福度6.06点を大きく上回る結果であった。
(※2)国連World Happiness Report 2024
■幸福度が高いのは体や心が元気な人
⇒体や心の元気な人ほど幸福度が高く、元気度が低い人との差が大きい。
⇒配偶者の有無別での幸福度にはほとんど差がみられなかった。一方で、有配偶者においては、配偶者・パートナーとの相思相愛度で差がみられ、配偶者・パートナーを大切に思っており、かつ、配偶者・パートナーから大切に思われている人で幸福度が高い。
■幸せに欠かせない要素上位は「自分や家族の体や心の健康」
⇒幸せに欠かせない要素として、「自分の体/心の健康」「家族の体/心の健康」が8割を超え圧倒的に多かった。
■幸せを感じる1位は「美味しいものを食べている時」で前回と同様。
2位の「部屋でリラックスしている時」は前回の6位からランクアップ。
⇒日々の生活の中で幸せを感じる時トップは前回と変わらず「美味しいものを食べている時」で、71.0%。2位には、前回6位の「部屋でリラックスしている時」がランクアップした。
【調査背景】
ハルメク 生きかた上手研究所は、50代以上女性のインサイトについて調査・分析を行っています。2022年5月に幸福度調査を実施してから2年が経過し、この間、コロナ5類移行のほか、物価高、災害の発生など社会状況は変化しています。こうした中で、ハルメク世代の女性たちの幸福度は変わったのか、あるいは変わっていないのか。合わせて、この世代の幸福感に影響を与える要素は何なのかを探るべく、調査いたしました。
※調査主体の「ハルメク 生きかた上手研究所」所長への取材、コメント提供も可能です。
【調査概要】
調査方法:WEBアンケート
調査対象:50歳以上の全国のハルトモ(ハルメクのモニター組織)の女性
有効回答数:575名(50~86歳)
調査実施日:2024年5月21日(火)~5月24日(金)
調査主体 :株式会社ハルメク・エイジマーケティング ハルメク 生きかた上手研究所
※ 2022年調査:有効回答数507名(50~84歳)実施日2022年5月13日~5月17日
※ 調査結果のパーセンテージは、小数点以下第2位を四捨五入したため、総数と内訳の合計が一致しないことがあります。
※ 本リリース内容を掲載いただく際は、出典「ハルメク 生きかた上手研究所調べ」と明記をお願いいたします。
50~80代女性の幸福度平均点は10点満点(0点~10点)中7.84点 本人の体や心の健康度、配偶者や子どもとの相思相愛度が幸福度に大きく影響
- 国連によるWorld Happiness Reportと同じ形式(10点満点)で聞いた幸福度の平均点は7.84点。
- 2022年に実施した調査では7.77点であり、2年経過しても大きな変化はなかった。
- なお、World Happiness Report 2024における1位フィンランドの7.74点とは同水準、日本人全世代平均の6.06点を大きく上回る結果となった。
- 幸福度平均点を属性別にみると、50代、60代、70代以上層ではほぼ差がなかった。
- やや差がみられたのは、子どもの有無、就業形態、世帯年収である。
- さらに差が大きかったのは、世帯保有金融資産、1か月に自由に使える金額。配偶者の有無別での幸福度にはほとんど差がみられなかったが、配偶者や子がいる人では配偶者や子との相思相愛度であった。また、本人の体や心の元気度による違いも顕著であった。
幸せに欠かせない要素上位は「自分や家族の体や心の健康」
- 幸せに欠かせない要素としては、「自分の体の健康」「自分の心の健康」が9割超、「家族の体の健康」「家族の心の健康」が8割超で圧倒的に多かった。
- 次いで60%台で続くのが「良い人間関係に恵まれていること」「自分の自由になる時間があること」「やりたいことができること」で、安定した収入などの経済的要素を上回った。
幸せを感じる1位は「美味しいものを食べている時」で前回と変わらず 2位の「部屋でリラックスしている時」は前回の6位からランクアップ
- 日々の生活の中で幸せを感じる時トップは前回と変わらず「美味しいものを食べている時」で、前回の68.8%→71.0%へと微増。
- 2位~8位の項目自体は前回と変わらないが、順位は変動した。前回2位の「新たな知識を得た時・自分の知識を深めた時」、3位の「趣味のことをしている時」などは割合が減って順位を下げ、6位だった「部屋でリラックスしている時」が2位に浮上した。
【専門家の見解】
ハルメク 生きかた上手研究所 所長 梅津 順江(うめづ ゆきえ)
2016年3月から現職。主に年間約900人のシニアを対象にインタビューや取材、ワークショップを実施
身近で平凡な生活に“幸せ”を見出す傾向が強まっている50代以上女性
日本の50~86歳女性の幸福度は7.84点で、2年前の7.77点とほぼ同じ結果となりました。国連が発行する「世界幸福度ランキング2024」によると、1位フィンランド7.74点、51位の日本は6.06点。日本の50歳以上の女性は、世界的にみても最高水準ということになります。
当該女性の幸せは、前回同様、「お金や時間のゆとり」「心身の健康」「家族や社会との関わり」「没頭できる趣味や活動」「感謝の気持ち」「デジタルリテラシーや意欲」などで構成されていました。
今回、世代ならではの幸せの感じ方に関するヒントを「幸せを感じる時」の自由記述に見つけました。起きた時~何気ない瞬間~寝る前の3地点ありました。朝は、「今日も朝がきたと思った時」「目覚めが良い時」「熟睡できた時」「快便だった時」など健康や生命感あふれる記述が複数ありました。昼は「雲ひとつない青空を見上げた時」「気持ちの良い風を感じた時」など自然とのふれあい、「家族が健康で元気に過ごせること」「穏やかな時間が流れてついうたた寝する時」「愛犬が膝にのった時」など何気ない時間や家族に関することが挙がりました。夜は「きれいな夕日を見た時」「ゆっくりお風呂に入った時」「1日充実していたと感じる時」に対して、感謝のコメントが目立ちました。歩んできた自分の人生を肯定し、生存や健康を実感し、ささやかな日常の中に幸せを見出しています。時代を映してか、「気が滅入る悲惨なニュースがない日」「自然災害に遭っていない」など、平和や安全を願う記述も見られました。
今どきの50代以上の女性は、承認や自己実現欲求よりも、生理的・安全・社会的欲求が満たされた時に幸せを感じやすいということになります。身近な生活に幸せを見出す傾向は強まっていることも今回わかりました。幸せを感じる時の1位は前回調査と変わらず「美味しいものを食べている時」で、2.2ポイントアップしました。興味深いのは2位の結果です。「部屋でリラックスしている時」が3.7ポイントアップ。「旅行に行った時」、「趣味をしている時」、「新たな知識を得た時・自分の知識を深めたい時」、「他の人に感謝された時」よりも上位にランクインしたのです。「ONのタイミングだけでなく、OFFのリラックス時にもアプローチすることで、彼女たちに幸福を感じてもらいやすくなる」ということを表しているのではないでしょうか。
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