女性誌販売部数No.1(※1)雑誌「ハルメク」などのマーケティングやリサーチのコンサルティングを通じて、50代以上のインサイトを日々探求する、ハルメク 生きかた上手研究所は、50~86歳のハルトモ(ハルメクのモニター組織)の女性490名を対象に「ディスコ体験に関する実態・意識調査」をWEBアンケートにて実施しました。
(※1)日本ABC協会発行社レポート(2023年7月~12月)
【 調査のポイント 】
■50~86歳の女性490名中、ディスコに行ったことがある人は58.8%(288名)。そのうち79.9%が、「18~23歳頃」に最も通っていたと回答。
■「今、ディスコに行ってみたい」と回答した人は21.0%。ディスコ経験有無別に見ると、ディスコ経験がある人は30.6%、ディスコ経験ない人は7.4%が「今、行ってみたい」と回答。
■ディスコへ行っていた理由は、「流行っていたから」「友達とワイワイガヤガヤするのが好きだったから」という人が多い結果に。
■欲しいサービス・施設は「座れる場所」「年齢制限」「多めのトイレ」など。他、「ヘアメイク」「スタイリスト」といったサービスを希望する声も多くあった。
■今、ディスコに行くとして、自身の希望や、やってほしい企画をたずねたところ、「おしゃれ・着飾り」や「昔と同じ体験」という声が多く挙がった。
【調査背景】
ハルメク 生きかた上手研究所は、シニアのインサイトについて調査・分析を行っており、「再燃エンタメ」にも注目しています。現在、1970~90年代初頭に流行った“ディスコ”が再ブームになっており、シニア市場を活気づけています。また、生きかた上手研究所の所員が、この世界のパイオニアである、DJ OSSHY氏主催のイベントへ参加。DJ OSSHYとイベント参加者へのインタビューも行いました。その声もお届けします。
【調査概要】
調査方法 :WEBアンケート
調査対象 :50~86歳の全国のハルトモ(ハルメクのモニター組織)の女性
有効回答者数:490名(50~86歳)
調査実施日 :2024年6月21日(金)~6月24日(月)
調査主体 :株式会社ハルメク・エイジマーケティング ハルメク 生きかた上手研究所
※調査結果のパーセンテージは、小数点以下第2位を四捨五入したため、総数と内訳の合計が一致しないことがあります。
※本リリース内容を掲載いただく際は、出典「ハルメク 生きかた上手研究所調べ」と明記をお願いいたします。
※調査主体の「ハルメク 生きかた上手研究所」所長への取材、コメント提供も可能です。
ディスコに行ったことがある人は58.8%(288名)。そのうち79.9%が、「18~23歳頃」に最も通っていたと回答。
・ ディスコに行ったことがある人は58.8%(288名)で、およそ6割が経験あり。最も通っていた年代は、「18~23歳頃」が79.9%と最も多く、次いで「24~29歳頃」が14.6%と続く。
「今、ディスコに行ってみたい」と回答した人は21.0%。ディスコ経験有無別に見ると、ディスコ経験がある人は30.6%、 ディスコ経験がない人は7.4%が「今、行ってみたい」と回答。
・ 「今、ディスコに行ってみたい」と回答したのは、21.0%。過去にディスコに行った経験がある人で、「今、行ってみたい」と回答した割合は30.6%と高いが、ディスコ経験のない人は7.4%と、今、行ってみたい意向には大差がある。
・ ディスコに行ったことがある人の割合と、今、ディスコに行ってみたい人との割合とを掛け、そこに現年齢(2024年時点)を回答者数でプロットすると、現年齢60代後半~70代前半と、現年齢60歳前後にボリュームゾーンがあることがわかる。前者は1次ディスコブームの時期に、後者は2次ディスコブームの時期[1]に、18~23歳頃(ディスコ体験年齢が最も多い)を過ごしている。現在63~64歳の人は、その年代の頃に、両方のブームを経験している。
[1] 1978年、ディスコを舞台にした映画『サタデー・ナイト・フィーバー』の公開を機に、爆発的かつ世界的な広がりをみせたのが、1次ディスコブーム。80年代後半のバブル経済期に全盛を迎え、多人数の客の踊る大規模なディスコが大都市を中心に全国的に流行したのが、2次ディスコブーム。 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
ディスコへ行っていた理由は、「流行っていたから」。「友達とワイワイガヤガヤするのが好きだったから」という人が多い結果に。
・ ディスコの主軸である、「音楽」・「踊る・ダンス」の2大要素より、「流行っていたから」「ワイワイガヤガヤ」という要素の方が、行く理由としては強かった。
欲しいサービス・施設は「座れる場所」「年齢制限」「多めのトイレ」など。他、「ヘアメイク」「スタイリスト」といったサービスを希望する声も。
・ 今、ディスコに行ってみたいと回答した103名に、「通常のディスコではあまりないかもしれないが、あると良いと思う設備・サービス・ルール」を、3つまで選んでもらった結果、トップ3は、「座れる場所」「年齢制限」「多めのトイレ」となった。続いて、「音のしない静かなエリア」、「熱中症防止のための水分補給スポット」など、体調に関するサービスが並ぶ。
・ 自由回答からは、「メイクさんスタイリストさんなど当日変身させてくださる方々」(61歳)、「ヘアメイクをしてくれるサービス」(56歳)、「スタイリストによる洋服の提供」(69歳)といったおしゃれ周りのサービスを希望する声も。
今、ディスコに行くとして、自身の希望や、やってほしい企画をたずねたところ、「おしゃれ・着飾り」や「昔と同じ体験」という声が多く挙がった。
「シルバーディスコ®」フォトレポート&取材
2024年5月16日(木)14:00 ~16:30 中目黒GTプラザホールにて行われたDJ OSSHY主催の「シルバーディスコ®」。
昼間開催、ノンアルコール・ノンスモーク、水分補給用のミネラルウォーターサービスと、健全なディスコスタイル。
【DJ OSSHY氏への取材(要約)】
「シルバーディスコ®」の原点は、大学の教授から声をかけられた介護施設でのイベントの開催。そこから、安心安全、老若男女が楽しめ、“一体感”を味わうことができるディスコを提唱し続けている。「拝むように」「綱引きをするように」といった誰にでもわかりやすい振りつけの解説を心掛ける。最初は一人で恐る恐る来る人が多いが、リピート率は6割を占める。
情熱の背景には、「親に認められたい(彼の父は、6月に逝去した元アナウンサー 押阪忍氏)」という感情があった。尊父は晩年、シルバーディスコ®の活動を応援していたという。
【DJ OSSHYファンクラブ会員への取材(要約)】
当日、現場の運営を手伝うスタッフからも話を聞いた。
DJ OSSHYの主催するディスコには、3つの敷居の低さがあるという。①1人で来ても大丈夫、②酒タバコなしの安心感、③ゴージャスに着飾らなくてもいいがおしゃれも歓迎、という自由度の高さ。
【専門家の見解】
ハルメク 生きかた上手研究所 所長 梅津 順江(うめづ ゆきえ)
2016年3月から現職。主に年間約900人のシニアを対象にインタビューや取材、ワークショップを実施。
再燃エンタメは50代以上の消費欲をくすぐる
70~80年代に流行ったディスコが再燃しています。仕掛け人は「ディスコでいつまでも元気で明るく楽しく」を提唱するDJ OSSHY氏。平日昼間に中目黒GTプラザホールで開催された「シルバーディスコ®」に取材を兼ねて参加しました。ミドル層から80代まで約100名の男女が2時間半、汗だくで踊るので熱気が充満。前半はダンサーJINさんによる「ダンスレッスン」があり、後半の「ディスコタイム」では70~80年代の懐かしの曲に合わせてステップを踏むからか、会場全体に一体感がありました。また、音楽と踊りだけを楽しむ安全・健康的なディスコスタイルで、世代への配慮がなされています。入口で、水分補給のためのミネラルウォーターが配られ、60席の座れる椅子が用意され、自由に休憩できる工夫もありました。
生きかた上手研究所の調査で、50~80代女性のディスコ経験率は約6割で、ディスコに行った主な理由は「当時、流行っていた」というミーハーなものであることが分かりました。「今、ディスコに行きたいか」をたずねると、全体の2割、経験者の3割が参加意向を示しました。多くの娯楽がある中での2,3割は、決して少なくはありません。再燃エンタメにいったい何を求めているのでしょうか。若い頃の空間に身を置くことで、トリップ感を得られることが期待されていました。具体的には、「仮装やコスプレ」、「おしゃれして非日常を味わいたい」、「若い時にタイムスリップ」、「昔と同じ企画の再現」などの記述。「カラオケ以上ハロウィン未満」程度の位置づけでしょうか。
「シルバーディスコ®」は、DJ OSSHYのファンクラブ会員からの参加もあり、6割がリピーターとのこと。ファンクラブ会員にも取材しました。印象的だったのが50代後半女性の「私、今が反抗期なの」という一言。若い頃はいかがわしいイメージのディスコには行ったことがなかったが、いつかは行きたいと思っていて、「寝たきりの年寄りを増やしたくない」というDJ OSSHYの哲学、曲好きが集まっているところに共感して入会。そして、自由で安心なところが気に入っているそうです。ディスコ経験者はもちろん、彼女のような未経験者も潜在層として含めると、50代以上に向けた再燃エンタメ「シルバーディスコ®」はますます活気づくことが予測できます。
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