女性誌販売部数No.1(※1)雑誌「ハルメク」などのマーケティングやリサーチのコンサルティングを通じて、50代以上のインサイトを日々探求する、ハルメク 生きかた上手研究所は、20~79歳の男女1,200名を対象に「食に関する意識・実態調査」をWebアンケートにて実施しました。
(※1)日本ABC協会発行社レポート(2023年7月~12月)
【 調査サマリ 】
■自分の健康を重視した食事をする70代だが、男女差あり。女性は40代から自分の健康が気になり始める。
⇒食事をするにあたって重視する点は、全体では「自分自身の健康」「おいしさ」「自分以外の家族の健康」の順。
⇒男女とも70代は「自分自身の健康」が突出しているが、男性の方が高く、女性は「家族の健康」の重視割合も高かった。女性を年代別に見ると、30代までは「おいしさ」が1位だが、40代では「おいしさ」と「自分自身の健康」が同率となり、50代以降は「自分自身の健康」が1位だった。
⇒朝の主食は、全体では「パン」「ご飯」の順。20代のみ「ご飯」が多数派で、年齢が上がるほど「パン」の割合が高かった。昼の主食は、全体では「ご飯」が最も高いが、60代以上は「めん類」がご飯を上回った。夕食のメニューで年代差が大きかったのは、「魚」「大豆製品」「野菜」のおかず。夕食の品数平均は70代(5.01品)が最も多かった。
■健康状態が良い女性60代。1週間の間食回数は全年代トップの6.25回、「食いしん坊」と感じている割合も最多。
⇒自身を健康だと認識している割合(健康+やや健康)は、全体で54.8%。最も高かったのは女性60代(69.0%)だった。男性20代、女性40代は「どちらともいえない」が多く、健康+やや健康と回答した人の合計値は50%未満であった。
⇒間食している割合は全体で77.0%。最も高かったのは女性30代(90.0%)だった。間食している人のうち、1週間の平均回数が最も多いのは女性60代(6.25回)で、食べているものの1位は「チョコ」であった。
⇒自分を「食いしん坊」だと思う(そう思う+ややそう思う)割合は、全体で43.8%。最も高かったのは女性50代と60代(いずれも55.0%)だった。
⇒幸福度(10点満点の平均)は全体で6.13点。「食いしん坊」と認識している人は6.47点と平均点が上昇した。
■女性70代の夕食の準備時間は全年代最長の49分で、後片付けも負担に感じている。女性30~50代の悩みは献立。
⇒夕食の準備時間は全体で39.6分。最も長いのは女性70代(49.0分)だった。
⇒調理で一番大変なのは、全体では「献立を考える」が1位で、特に女性30~50代が高かった。女性70代は「後片付け・洗い物をする」が2割を超えた。
【調査背景】
ハルメク 生きかた上手研究所は、シニアのインサイトについて調査・分析を行っています。物価高や気候変動などにより、食料品の値上げが続く中でも、スイーツや健康志向の商品など食に関する話題には事欠くことがありません。今回は20代から70代の食事・買物・調理の実態や意識、悩みなどについて調査しました。
【調査概要】
調査方法:WEBアンケート
調査対象・対象者数:全国の男女20~79歳1,200名
調査実施日:2024年2月20日(火)~2月21日(水)
調査主体:株式会社ハルメク・エイジマーケティング ハルメク 生きかた上手研究所
※調査結果のパーセンテージは、小数点以下第2位を四捨五入したため、総数と内訳の合計が一致しないことがあります。
※本リリース内容を掲載いただく際は、出典「ハルメク 生きかた上手研究所調べ」と明記をお願いいたします。
※調査主体の「ハルメク 生きかた上手研究所」所長への取材、コメント提供も可能です。
自分の健康を重視する70代。女性は40代から自分の健康が気になり始める。 年齢が上がるほど、魚・大豆・野菜など食事の品数が多い。
- 食事の重視点は、全体では1位「自分自身の健康」、2位「おいしさ」、3位「自分以外の家族の健康」。
- 男女とも70代は「自分自身の健康」が突出しているが、男性の方が11ポイント高かった。女性70代は「家族の健康」の重視割合が25.0%を占める。女性を年代別に見ると、30代までは「おいしさ」が「自分自身の健康」を上回るが、40代では同率となり、50代以降は「自分自身の健康」が1位だった。
- 朝の主食は、全体では「パン」(58.1%)、「ご飯」(43.6%)の順。20代のみ、パンより「ご飯」の方が15ポイント高く、年齢が上がるほど「パン」の割合が高くなる。
- 昼の主食は、全体では「ご飯」(60.8%)が最も高いが、60代以上は「めん類」が6割を超える。
- 夕食のメニューで年代差が大きかったのは、「魚」「大豆製品」「野菜」のおかずで、特に「野菜」は20代と70代で39ポイントの差が見られた。夕食の品数平均は70代が5.01と最も多かった。
健康状態が良い女性60代。 1週間の間食回数は6回を超え、「食いしん坊」と認識している割合も高い。
- 現在の健康状態を「健康」「やや健康」と回答した割合は、全体で54.8%。最も高かったのは女性60代(69.0%)だった。男性20代、女性40代は「どちらともいえない」が多く、健康+やや健康の合計値は50%未満だった。
- 間食する割合は全体で77.0%。最も高かったのは女性30代(90.0%)だった。間食している人のうち、1週間あたりの平均回数が最も多いのは女性60代(6.25回)。間食で食べているものは、全体では「チョコ」「米菓」「クッキー、ビスケット」の順。男女とも70代で「和菓子」が3位以内に入った。
- 自分を「食いしん坊」だと思う(そう思う+ややそう思う)割合は、全体で43.8%。男女差が大きく、最も高かったのは女性50代と60代(いずれも55.0%)だった。
- 幸福度(10点満点の平均)は全体で6.13点。「食いしん坊」と認識している人全体では6.47点と、平均点が上昇した。
夕食の準備時間が最も長い女性70代。「後片付け」に悩み、中食や作り置き・冷凍保存で工夫。 女性30~50代は献立のマンネリに悩み。 ミールキットや総菜・弁当への罪悪感は年齢を問わずほとんどなし。
- 夕食の準備時間は全体で39.6分。最も長いのは女性70代(49.0分)だった。
- 1週間の平均自炊回数は女性70代が最も多い(6.39回)。中食(冷凍食品、総菜・弁当などの調理済み食品)の利用は女性20代(2.85回)が最も多い。女性は年齢が上がるにつれ中食回数が減少するが、70代で再び増加した。
- 調理で一番大変・苦手なのは、全体では「献立を考える」(33.2%)。特に女性30~50代が高く、4割を超える。女性70代では「後片付け・洗い物をする」が2割を超えた。
- 調理や食材保存では、女性30~50代で「いつも同じメニューになってしまう」が4割を超えたほか、女性60代以上は「作り置きをしている」「ストック用の冷凍庫を持っている」「生鮮食品を冷凍保存している」が全体より5ポイント以上高かった。冷凍保存は男性70代も高い。なお、半調理品や総菜・弁当への罪悪感は年齢を問わず高くても1割程度。
【専門家の見解】
ハルメク 生きかた上手研究所 所長 梅津 順江(うめづ ゆきえ)
2016年3月から現職。主に年間約900人のシニアを対象にインタビューや取材、ワークショップを実施
60歳以上の女性は、食べ盛り!食いしん坊さんは、健康で幸福度が高い
60歳以上の女性の食生活は自由気ままさと豊かさとが同居していました。年代的に、腸内環境を荒らし、炎症の原因とされているグルテンの摂取は控えているであろうと思いきや、「朝はパン、昼はめん類」というお手軽メニュー。また、60代女性の間食回数は週当たり6.25回で、チョコ、米菓、クッキー・ビスケットを食しています。自由記述をみても、「ご飯を食べてお菓子も食べたくなる」「いつも何を食べるか考えている」「お腹が空いてなくても食べる」「満腹になるまで食べる。食べすぎてしまう」と、四六時中、何かを口に入れている様子がうかがえます。それらを帳消しにするかのように、夜には主食・肉のほか、魚・大豆・野菜など品目多く、バランスの良い食事を心がけていました。
60代女性の55.0%が「自分を食いしん坊だと思う」と回答。全体平均の43.8%と比べて、11ポイント高いことになります。「食べるのが好き。大食漢」「常に食べ物のことを考えている。おいしい物、好きな物は人よりたくさん食べたい」「話題のおいしい店には、すぐ行くようにしている」と、食いしん坊である自分を肯定しています。
さらに驚いたのは、60代女性の約7割が「自分は健康」と認識しており、60代女性の幸福度も全体平均6.13点と比べ、6.59点と高いのです。加えて、食いしん坊と認識している人では6.71点と高まります。「歳とともに食べることが楽しみになりました」「おいしいものを食べる時、幸せを感じる」など、自由記述でも食と幸福度との相関が見られました。食いしん坊さんほど幸せで、中でもよく食べる60代女性は、心身ともにコンディションがよいということになります。
「食への関心や大食いは、長生きの秘訣」といっても過言ではないかもしれません。
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