女性誌販売部数No.1(※1)の雑誌「ハルメク」をグループで発行する株式会社ハルメクホールディングス(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:宮澤 孝夫)ハルメク 生きかた上手研究所は、50~81歳の女性461名を対象に「シニアの『推し』に関する実態調査」をWEBアンケートにて実施いたしました。
(※1)日本ABC協会発行社レポート49.4万部(2022年7月~12月)
【 調査サマリ 】
■現在「推し」がいるシニア女性は47.9%、推しがいない人のうち興味ありは39.5%。
⇒現在、「推し」がいるのは全体(461人)の47.9%(221人)と昨年の35.2%から12.7%増加。
推しがいない223人のうち、「過去いた」が21.5%(48人)、「今までいなかったが興味はある」が39.5%(88人)。
■「推し」の数は平均2.13。5年以上の“長推し”が56.1%だが、コロナ禍(直近3年以内)で推しに出会った人も32.6%。
⇒現在「推し」がいる221人に推しの数をたずねたところ、平均2.13人/個であった。70歳以上は単数推しが多く、平均は1.81。
⇒また、推している期間については、「5年以上」の長推し56.1%に対し、「5年未満」が43.9%。特に70歳以上が長推し傾向で、「5年以上」が60.4%。
⇒推しに対する思いの強さは、この1年間で「特に変わらない」が66.1%だが、「強くなった」人も30.3%。
■推しにお金を使っている人は7割強で、一人当たり年間平均使用額は約10万円。
⇒現在「推し」がいる221人中「推しにお金を使っている」のは72.4%(160人)で、昨年69.5%より約3%増加。
1年に使う一人当たり平均額も¥102,883と、昨年の\90,352から¥12,531アップし10万円超え。
⇒費用内訳で昨年より増加したのは、「遠征費(宿泊、交通費など)」や「DVD(BR)、CD、配信などの映像・音楽の購入費)」。逆に、「本・雑誌・関連書籍など」はダウン。
■推しがいるゆえの悩みは経済面で増加。
⇒推しがいるゆえのお悩みトップは昨年同様「お金がかかる」で23.5%(52人)。昨年17.8%より5.7%増えた。2位「チケット争奪戦が大変」、3位「時間の確保が大変」は昨年とほぼ変わらず。悩みなしも52.0%(115人)と半数を超えるが、昨年の61.9%(122人)より約10%減っている。
■推しは人生の活力であり、推しがいる人ほど幸福度も高い。
⇒推しがいることの良い点は、「活力、元気をもらえる」「楽しい時間が増える」「生活にハリが出る」がトップ3でいずれも6割を超える。
⇒10点満点で幸福度を聞いたところ、推しあり(221人)のウエイト平均値は8.05と、推しなし(223人)の7.81を上回った。なお、推しがある人のうち80.1%(177人)は、推しのほかにも熱中している趣味や活動があり、その人たちの幸福度はさらに高い8.12であった。
【調査背景】
ハルメク 生きかた上手研究所は、シニアのインサイトについて調査・分析を行っています。
コロナによる生活制限が緩和される中で、シニア女性の「推し」の活動はどう変化しているのでしょうか。ますます盛んになっているのか、それとも停滞気味なのか、使う金額は変化しているのか、昨年に引き続き、その実態を探るべく、本調査を実施しました。
【調査概要】
調査の方法:WEBアンケート
調査の対象:50~81歳の全国の女性461名
調査実施日:2023年6月9日(金)~6月12日(月)
調査主体 :株式会社ハルメクホールディングス ハルメク 生きかた上手研究所
※1調査結果のパーセンテージは、小数点以下第2位を四捨五入しているため、総数と内訳の合計が一致しないことがあります。
※2前回調査は2022年6月21日(火)~6月24日(金)50~84歳シニア女性559名を対象にWebアンケートを実施。
※3調査主体の「株式会社ハルメクホールディングス ハルメク 生きかた上手研究所」所長への取材、コメント提供も可能です。
※本リリース内容を掲載いただく際は、出典「ハルメク 生きかた上手研究所調べ」と明記をお願いいたします。
現在「推し」がいるシニア女性は昨年から約13%増加し47.9%。
推しがいない人のうち「興味あり」は39.5%。
・現在、「推し」がいる人は全体(461人)の47.9%(221人)と昨年の35.2%から12.7%増加。
・推しがいない223人のうち、「過去いた」が21.5%(48人)。「以前も今もいないが興味はある」が39.5%(88人)。
「推し」の数は平均2.13。5年以上の長推しが56.1%だが、
コロナ禍(直近3年以内)で推しに出会った人も32.6%。
・現在「推し」がいる221人に推しの数をたずねたところ、平均2.13人/個であった。70歳以上は単数推しが多く、平均は1.81。
・推しを応援している期間については、「5年以上」の長推し56.1%(124人)に対し、「5年未満」が43.9%(97人)。特に70歳以上が長推し傾向で、「5年以上」が60.4%(29人)。
・また、「3年未満」とコロナ禍で「推し」に出会った人も32.6%(72人)。
・推しに対する思いの強さは、この1年間で「特に変わらない」が66.1%(146人)だが、強くなった人も30.3%(67人)。
・年代では、60~64歳で思いが強くなったが35.8%(24人)と多い。
推しにお金を使っている人は7割強で、一人当たり年間平均使用額は約10万円。
・現在「推し」がいる221人中、「推しにお金を使っている」のは72.4%(160人)で、昨年の69.5%(137人)から2.9%増加。
・1年に使う一人当たり平均額も¥102,883と、昨年の¥90,352から¥12,531アップし10万円超え。
・費用内訳で昨年より増加したのは、「遠征費(宿泊、交通費など)」や「DVD(BR)、CD、配信などの映像・音楽の購入費)」。それぞれ昨年→今年で比べると、¥87,167→¥110,161、¥12,367→¥21,103。逆に、「本・雑誌・関連書籍など」は、¥34,892→¥14,742とダウン。
推しがいるゆえの悩みは経済面で増加。
・推しがいるゆえのお悩みトップは昨年同様「お金がかかる」で23.5%(52人)。昨年17.8%より5.7%増えた。2位「チケット争奪戦が大変」、3位「時間の確保が大変」は昨年とほぼ変わらず。
・約半数の52.0%(115人)は「悩みはない」としている。ただし、昨年の61.9%(122人)より約10%減り、悩みのある人が増えている。
推しは人生の活力であり、推しがいる人ほど幸福度も高い。
・推しがいることの良い点は、「活力、元気をもらえる」「楽しい時間が増える」「生活にハリが出る」がトップ3でいずれも6割を超える。次いで、「人生が豊かになる」「感動を得られる、ワクワクドキドキできる」「幸せが増える、幸せな気持ちになれる」も6割以上。
・推しの有無による幸福度の違いをみるため、10点満点で幸福度を聞いたところ、推しあり(221人)のウエイト平均値は8.05と、推しなし(223人)の7.81を上回った。
・推し以外の趣味の有無と幸福度との関係をみると、推しがいる221人のうち80.1%(177人)は、推しのほかにも熱中している趣味や活動があり、その人たちの幸福度は、推しのみの人よりさらに高い8.12であった。次いで幸福度が高いのは、推しはないが趣味がある人で、推しや趣味の存在が幸福度を上げていると考えられる。
【専門家の見解】
ハルメク 生きかた上手研究所 所長 梅津 順江(うめづ ゆきえ)
2016年3月から現職。主に年間約900人のシニアを対象にインタビューや取材、ワークショップを実施
多様に広がるシニアの「推し活」は、幸福Bigマーケット
50歳以上女性の「推し」がいる割合は昨年から13%増え、約半数となりました。「推し」への関心や思いも強まっています。「お金がかかる」と悩みが増えたものの、推しに費やす金額も年間で約10万円。行動やコミュニケーション、パターンなどが多様になり、活動に幅が出てきました。昨年からの変化では、「複数推し」「箱推し」「長推し」「メジャー推し」の傾向がみられます。代表的なコメントを紹介します。
「お一人は藤木直人さん。ドラマを全部見る。出演情報をファンクラブで得る。もう一つはグループで『三代目J SOUL BROTHERS』。ファンクラブはもちろんライブは絶対行きます!声出しが出来なかったライブも参戦。ライブが出来なかった時のオンラインライブも全部参戦。CD、DVD、グッズはもちろん購入。(芸能プロダクションの)LDHの街・中目黒のお店にも行っています。老若男女問わず人気があるので職場の若者や主婦の方とも『三代目交流』があったりして会話も増えて楽しいです。三代目のおかげ!」(54歳)
「歌手の野口五郎さん。50年前からのファンで、年1回はコンサートにも参加しています。昔では考えられなかったブログへの参加など、色々な面から応援しています」(64歳)
「大谷翔平。WBC優勝でさらに注目するようになり、来月は(米国の)アナハイムへ観戦に行く。元々、海外ひとり旅が趣味なので、現地で本物を見なければと心が騒いでいる。爽やかで育ちがよく、闘志があってストイックな生活ができる男の子はみたことがない。知るほど好きになる…孫みたいな年齢ですけど (笑)」(70歳)
お金や時間を惜しまずに推し活をすることで、自らの生活や人生を充実させていて、幸福度が高い様子がうかがえます。「推しがいる人ほど幸せ」な傾向は、数字でも明らかになっています。
約3年間続いたコロナ禍でデジタルによる推し活が盛んになりました。行動制限がなくなった今、リアルな活動にも意欲的なシニア女性のマーケットは、デジタルとリアルの両輪で、ますます膨らんでいくことでしょう。シニア女性の推し活が、日本経済の活性化のきっかけになるのではないか。そう言ったら大げさでしょうか。
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