プレスリリース

【中高年フェムケア市場関連】「中高年世代の健康・更年期に関する意識と実態調査」

株式会社ハルメクホールディングス

 女性誌販売部数No.1(※1)の雑誌「ハルメク」をグループで発行する(株)ハルメクホールディングス(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:宮澤 孝夫)ハルメク 生きかた上手研究所は、40~79歳の男女1,600名を対象に「中高年世代の健康・更年期に関する意識と実態調査」をWEBアンケートで実施致しました。
(※1)日本ABC協会発行社レポート38.5万部(2021年1月~6月)

【調査サマリ】
■中高年世代における「体の患いや不調」トップ3は、「目」「高血圧」「腰」。
男性は具体的な疾病、女性は何となくの不調のスコアが高く、性差が顕著にみられた。

  • 40~79歳(男女)の体の不調で多かったのは、目25.8%、高血圧24.8%、腰23.3%。
  • 男性の方が多く出る症状は、「高血圧」「内臓脂肪」「肝臓」。
  • 女性の方が多く出る症状は、「肩」「便秘」「腹筋が弱い」「寝付きが悪い」「ホルモンバランスの崩れ」「外反母趾」「花粉症」と複数にわたる。


■女性の更年期障害には精神的な症状も。夫・パートナーへ更年期障害の話や相談をするのは、3割程度。

  • 「ほてり」「発汗」症状の他、「イライラする」「睡眠障害」といった精神的なものや日常で感じる不調も多い。
  • 夫・パートナーに、自分の更年期障害の話や相談をしたことがあるのは31.6%
  • 女性の更年期障害について、男性の理解度は2割強。
  • 相談は「してもしょうがない」という諦めの気持ちが多い。相談された男性も、相談されてもどうしていいのかわからず何も対応できず困ってしまう人が目立った。
  • 家族へ相談して理解を得る努力をしたり、夫が家事をサポートしたり、というケースも散見された。


■更年期障害を患いながら、仕事に対する先の不安を抱えたり、家事、介護との両立の苦労も伺える。

  • 更年期障害の経験がある女性の64.0%が、更年期障害の時に就業している・していた。
  • 「親の介護と時期が一緒になり、つらかった (現69歳)」「職場で仕事中に汗がだらだら出てきて恥ずかしかった。夫が理解してくれず、いつもけんかをしているような日々だった。 (現62歳)」などのコメントがみられる。


【調査背景】
 ハルメク 生きかた上手研究所は、シニアのインサイトについて調査・分析を行っています。シニア層は、若年層に比べ、健康に対する意識が高いと言われています。内臓の疾病や体の痛みだけでなく、「何となくの不調」が目立つのもこの世代の特徴です。女性の就業率は、45~54歳で78.7%、55~64歳で67.1%と半数を超え、65歳以上でも18.2%が働いています。(※21年総務省「労働力調査」)社会や環境が変化する中、中高年の男女が、自身の健康状態や体の不調をどのように自覚しているか。また、女性は「更年期」にどう向き合っているのかを明らかにするために、「シニア世代の健康・更年期に関する意識と実態調査」を実施しました。
※調査主体の「(株)ハルメクホールディングス ハルメク 生きかた上手研究所」所長への取材、コメント提供も可能です。

【調査概要】
調査の方法:WEBアンケート
調査の対象:40~79歳の男女
有効回答数:1,600名(男性800名、女性800名) 
調査実施日:2022年2月18日~2月20日
調査主体 :(株)ハルメクホールディングス ハルメク 生きかた上手研究所 
※本リリース内容を掲載いただく際は、出典「ハルメク 生きかた上手研究所調べ」と明記をお願いいたします。

中年・高年期における「体の患いや不調」 女性が感じる不調と男性が感じる不調には違いが大きい。

  • 40~79歳(全体)の体の不調で多いのは、目25.8%、高血圧24.8%、腰23.3%。
  • 男性の方が多く出る症状は、「血圧が高い(14.5ポイント差)」「内臓脂肪が多い(7.3ポイント差)」「肝臓(5.6ポイント差)」。
  • 女性の方が多く出る症状は、「肩(8.1ポイント差)」「腹筋が弱い(8.5ポイント差)」「便秘(10.5ポイント差)」「寝付きが悪い(6.4ポイント差)」「ホルモンバランスの崩れ(7.1ポイント差)」「外反母趾(6.5ポイント差)」。女性は男性に比べると、日常で感じる不調が多い。

女性の更年期障害について、男女ともに認知度は高い。 理解度でみると女性の66.5%と比べ男性はまだ22.8%と低い。

  • 更年期障害の認知度(名前は知っている+内容を知っている)と理解度(内容を知っている)を男女別に見ると、女性の更年期障害に関する認知度は男性87.9%、女性97.4%となっており、男女ともに広く認知されている。
  • 一方、理解度については、男性が22.8%、女性が66.5%であり、男性の理解度はまだ低いといえる。
  • なお男性の更年期障害については、男女合わせた認知度は77.2%、理解度はわずか14.8%であった。


女性の更年期障害の症状

  • 今回の調査の回答者40~79歳の女性800名のうち、更年期障害を経験したことのある女性は53.1%の425人。この425人に発生した症状をたずねたところ、のぼせ・ほてり(52.2%)、汗・ホットフラッシュ(37.2%)、イライラする(36.7%)が多く、体の不調だけでなく、心身両面で不調が現れているも現れている。

夫、パートナーへ更年期障害の話や相談をした女性はおよそ3割

  • 更年期障害の経験がある女性425人のうち、夫・パートナーがいる/いたことがある女性は373人。うち、夫・パートナーに、自分の更年期障害の話や相談をしたことがあるのは31.6%。・話や相談をしない・しなかった理由は、「してもしょうがない」「わかってもらえそうにない」という諦めの気持ちが多い。相談された男性も、相談されてもどうしていいのかわからず何も対応できず困ってしまう人が目立った。
  • 一方で、家族へ相談して理解を得る努力をしたり、夫が家事をサポートしたり、というケースも散見された。

話・相談の内容(相談をしたことが「ある」と回答した人のコメント抜粋)

  • 多分これって更年期よね~と言う感じで話した。(46歳)
  • 体調が悪いため、家事がおろそかになってしまう。さぼりではなく、仕方がないこと。そういう理解をしてもらって、できる限り家事を手伝ってもらえるようにお願いした。(48歳)
  • 辛いことを理解してもらう。→なんとなくの不機嫌、不注意ミス等は更年期のせいとして納得してもらえた。(62歳)
  • 症状をつたえて気持ちをわかってもらった。(73歳)
  • 一応理解はしてくれたと思うが、自分のことでないからそれほど親身にはなってくれなかった。(58歳)
  • 症状を伝えたが、特に反応なくかえってイヤな思いをしただけだった。(61歳)


話や相談をしなかった理由(相談をしたことが「ない」と回答した人のコメント抜粋)

  • 症状がそれほど重くなかったから(多数)
  • 言ってもわかってもらえそうにない/どうせわからないだろうから(多数)
  • 男性には理解できないと思うので(多数)


どんなことを妻・パートナーから相談されたか(男性のコメント抜粋)

  • 症状があることを打ち明けられた。気遣うようになった。(54歳)
  • 毎日、理由もなくイライラしているので、市販薬を服用するよう進めた。(72歳)
  • 体のバランスが崩れたり、体を動かすのが辛かったりしたら焦らずにその症状に向き合うようにした(74歳)
  • 体調不良になった場合の手伝いなどを相談し出来ることを手伝った。(74歳)
  • 「更年期障害やから、ほっといて」と言われる。(69歳)
  • 体が火照る、気分が憂鬱と言われたが、話を聞くだけ(67歳)

働く女性は、更年期障害によって仕事に影響を及ぼすことを心配する

  • 更年期障害の経験がある女性425人のうち、更年期障害の時に仕事をしていたのは64.0%。
  • 更年期障害を患いながら、仕事に対する先の不安、家事や介護との両立の苦労も伺える。

就業中に更年期障害によって経験した苦労や負担

  • 気分が沈んで仕事のペースに影響があった。(41歳)
  • ホットフラッシュのような症状もありましたが、この先どうなってしまうのかという不安感が辛かった。(61歳)
  • 仕事中に症状が出て辛くても、周りが自分より若い男性ばかりで辛いことを言っても理解してもらえない。(57歳)
  • 仕事も家事も効率よくやりたいのに思い通りに上手くいかず悩んだことがあります。(75歳)
  • 起きていられないくらいの頭痛と吐き気があった。仕事を休んだ。(77歳)
  • 仕事をしていて忙しかったのでつい家族に迷惑をかけた。子供の世話が思うようにできずイライラした。(73歳)
  • 親の介護と時期が一緒になり、つらかった。(69歳)
  • 職場で仕事中に汗がだらだら出てきて恥ずかしかった。夫が理解してくれず、いつもけんかをしているような日々だった。(62歳)
  • 寝付きが悪いので翌日の勤務に支障があった。 (61歳)
  • めまいが続いた時、職場の理解が得られず退職したこと。(53歳)

【専門家の見解】

ハルメク 生きかた上手研究所 所長 梅津 順江(うめづ ゆきえ)
2016年3月から現職。主に年間約900人のシニアを対象にインタビューや取材、ワークショップを実施

女性特有の体の変化と不定愁訴を理解すれば、フェムケア市場は活気づく
 「シニアの健康を語るには、性差をきちんと理解することが重要」と今回の調査で再確認できました。体の不調は男女で大きく異なります。体の造作が異なるのですから、不調の臓器も症状も違うのは当然のことです。しかしこれまで、更年期など女性ホルモンの影響で揺らぐ女性の体を知ることにあまりスポットは当ってきませんでした。女性の就業率の増加など社会環境の変化に伴い、忙しくなった現代の女性はフェム特有の悩みを手軽に解決できる方法を探しているのにも関わらず・・。
 更年期の症状は「イライラ」「めまい」「ほてり」「不安」「肩こり」「不眠」「不機嫌」など。疾病というより体や心が不安定になる感覚です。理解が得られず職場を退職、妻の変化に何もできずオタオタする男性(夫)など、周囲からは理解されにくいことも明らかになりました。周囲に相談、夫婦で一緒に向き合うという好例はごく僅かで、多くは抱え込んでしまっていました。ライフステージの変化によって起こり得る更年期離婚や更年期退職を避けるためにも、女性特有の体の変化と不定愁訴(原因がつかみにくい体調不良)を知り、職場や夫婦で話して理解しあい、支え合う環境づくりが不可欠です。
 岸田文雄首相は2月7日、「女性の健康を生涯にわたり包括的に支援していくことは重要な課題だ」との考えを示し、女性の更年期障害が日常生活に与える影響についての調査研究を実施。「研究の成果を支援施策につなげていきたい」と述べました。21世紀も四分の一が経とうとしていますが、女性の更年期支援策の本格的な検討は始まったばかりです。
 隠れた女性のニーズへアプローチするマーケットもこれからが本番となるでしょう。第2次ベビーブーム世代「団塊ジュニア」も50歳前後。フェムケア市場は巨大マーケットになることが予測されます。

■ハルメク 生きかた上手研究所のシニアリサーチデータは、「ハルメク シニアマーケティングLAB」で掲載しています。
 「ハルメク シニアマーケティングLAB」は、ハルメク世代(シニア)を顧客とする企業にとって有益な情報をお届けしている情報サイトです。ハルメクグループが提供する定期購読誌や通販等を通じて得たマーケティングデータや記事、シンクタンク「ハルメク 生きかた上手研究所」の調査レポートなど豊富な情報が満載です。
URL:https://marketing.halmek-holdings.co.jp/column/archive.php?c_no=274

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