【住まい・暮らしに関する意識・実態調査2025】半数以上は将来の住まいに不安を抱える一方、約75%は今の住まいに満足。 リフォーム意向者の平均予算は400万円強。
株式会社ハルメク・エイジマーケティング
女性誌販売部数No.1(※1)雑誌「ハルメク」などのマーケティングやリサーチのコンサルティングを通じて、50代以上のインサイトを日々探求する、ハルメク 生きかた上手研究所は、50~79歳のハルトモの女性521人を対象に「住まい・暮らしに関する意識・実態調査」をWEBアンケートにて実施しました。
(※1)日本ABC協会発行社レポート(2024年1月~6月)
調査結果のポイント
- 住まいの将来に「不安がある」が55.3%で半数以上。一方で、今の住まいに「満足」は75.3%で約4人に3人。
- 今後の居住意向(複数回答)をみると、「健康な間は今の住まいに住み続けたい」40.9%と「死ぬまでずっと今の住まいに住み続けたい」39.2%が拮抗。
- 3年以内にリフォームしたい人は1割弱。リフォーム予算回答者の平均額は407.9万円。
- 「防犯対策をしている」は56.4%。防犯対策をしていない主な要因は、情報不足、費用、楽観。
【調査背景】
ハルメク 生きかた上手研究所は、シニアのインサイトについて調査・分析を行っています。今回は、「住まい・暮らし」をテーマに、住まいやリフォームの満足度や将来への不安のほか、防犯対策も取り上げました。昨今、在宅時に襲われるといった事件が広域で発生していることから、防犯対策への関心が高まっているといわれています。防犯に関する意識と実態にも迫ります。
【調査概要】
調査方法:WEBアンケート
調査対象・有効回答者数:50~79歳の全国のハルトモ(ハルメクのモニター組織)の女性・521名 平均年齢64.8歳
調査実施日:2024年1月22日(水)~1月27日(月)
調査主体:株式会社ハルメク・エイジマーケティング ハルメク 生きかた上手研究所
※ 調査結果のパーセンテージは、小数点以下第2位を四捨五入したため、総数と内訳の合計が一致しないことがあります。
※ 調査主体の「ハルメク 生きかた上手研究所」所長への取材、コメント提供も可能です。
※ 本リリース内容を掲載いただく際は、出典「ハルメク 生きかた上手研究所調べ」と明記をお願いいたします。
住まいの将来に「不安がある」が55.3%で半数以上。一方で、今の住まいに「満足」は75.3%で、「不安がある」を上回る。
- 住まいの将来に「不安がある」16.5%、「やや不安がある」38.8%で、合わせた将来不安ありは55.3%。一方で、今の住まいに「満足している」31.5%、「まあ満足している」43.8%で、合わせた現状満足は75.3%となり、将来不安ありを上回る。
- 年代別でみると、年代が高いほど将来不安が少なく、現状満足が多い。とはいえ、70代でも4割以上が将来に不安ありとしている。
- 不安内容としては、家屋や排水管の老朽化、災害被害が上位にあがった。
- なお、現住所での居住年数平均は25.6年1、住まいの築年数平均は28.9年2である。(*1 n=518、*2 n=516 平均は「わからない」を除き、1年未満:1年、1~3年未満:2年、3~5年未満:4年、5~10年未満:7.5年、10~20年未満:15年、20~30年未満:25年、30~50年未満:40年、50年以上:50年として算出)
今後の居住意向(複数回答)をみると、「健康な間は今の住まいに住み続けたい」40.9%と「死ぬまでずっと今の住まいに住み続けたい」39.2%が拮抗。
- 今後の居住意向をみると、全体では、「健康な間は今の住まいに住み続けたい」と「死ぬまでずっと今の住まいに住み続けたい」がともに約4割で拮抗している。
- 年代別にみると、「健康な間は今の住まいに住み続けたい」は、50代前半~60代後半へと年代があがるにつれて増える。「死ぬまでずっと今の住まいに住み続けたい」は年代が高いほど多くなり、70代では5割を超える。
- 「高齢者向けの施設に入所したい」は全体では14.2%。60代で多く約17%。
- 「シェアハウスに住むことも1つの選択肢だ」も全体では1割を超え11.3%。シェアハウスに関する自由回答をみると、50代では「気の合う人と一緒に住みたい」、60代以上では「一人で住むより安心」といった意見が目立ち、年代によりイメージが異なることがうかがえた。
シェアハウスに住むことに肯定的な意見:自由回答抜粋
<気の合う人と一緒に住みたい>
- 男性、女性問わず、気の合う人とシェアハウスに住みたい(57歳)
- 気の合う仲間とシェアハウスに住んで、ネットを活用して買い物や運動もして、介護的なものもその頃にはロボットが進化して気を遣わずに効率よくなるべく自分で出来たらいいなと思う(57歳)
<一人暮らしより良さそう、安心>
- お一人様なので、将来的にはシェアハウスを終の棲家にしたい(63歳)
- シェアハウスは、適度な距離感と見守りが出来、良い住まい方だと思う(75歳)
- 若い人だけではなく、シェアハウスが有ると一人暮らしには安心で良いなと思います(79歳)
3年以内にリフォームしたい人は1割弱。リフォーム予算回答者の平均額は407.9万円。
- 今後のリフォーム意向をみると、「することが決まっている」は2.5%、「3年以内にはしたいと思っている」が6.1%で、合わせると8.6%(45人)。
- 上記に「いつかはしたい」も含めたリフォーム意向のある人に予算をきいたところ、回答者94人の平均額は407.9万円であった。※なお、有効回答数313人の平均金融資産は2,496万円
- 年代別にみると、リフォーム意向率、意向者における予算平均額ともに60代が最も高い。住居設備の老朽化に加え、自身の高齢化による生活の不便さも解消できるリフォームを望んでいる。※予算平均額に関しては、50代および70代はn数が少ないため参考値
「防犯対策をしている」は56.4%。防犯対策をしていない主な要因は、情報不足、費用、楽観。
- 「防犯対策をしっかりしている」は11.9%、「少ししている」は44.5%で、合わせると56.4%。
- 年代別にみると、年代が高いほど防犯対策実施率が高い。
- 全体の4割強は防犯対策をしていないが、その理由上位は、「どのような対策をしたらよいのかわからない」38.8%と「設備や設置に費用がかかる」33.0%で、情報不足や費用があがっている。「情報不足」は年代差が少ないが、「費用」は年代が低いほど多い。
- そのほか非実施の理由として、「住んでいるエリアで事件や犯罪が起きたことがない」「被害にあう可能性は極めて少ないと思う」といった楽観理由もそれぞれ1割を超え、年代別では70代で多い。
【専門家の見解】
ハルメク 生きかた上手研究所 所長 梅津 順江(うめづ ゆきえ)
2016年3月から現職。主に年間約900人のシニアを対象にインタビューや取材、ワークショップを実施。
シニアの住まいの在り方や選択肢が多様化。「シェアハウス」もその一つ
築年数30年弱の家に住む50代以上の半数以上が、住まいに「将来不安がある」と答えました。「家屋や排水管の老朽化」「自然災害被害」という外的要因による不安だけではありません。①身体変化によって影響が出てくる「階段の昇降や屋内移動」「ヒートショック」への不安、②引越しやリフォームを老後資金の中でやりくりする金銭的な負担、③子供の巣立ちや独居などライフステージの変化によって生じる「広すぎてメンテナンス・管理しきれない」問題、④「シニアの住居は狙われるのではないか」という防犯面の心配など、複数の課題を抱えています。一方で、全体の75.2%が「今の住まいに満足している」と回答。50~60代の40.7%が「健康な間は今の住まいに住み続けたい」、70代の50.4%が「死ぬまでずっと今の住まいに住み続けたい」と現在の住まいへの居住意向が高い結果となりました。
では、リフォーム意向率が高いかというと、そんな単純なことでもありません。「することが決まっている」「3年以内にしたい」の合計は8.6%と1割を切っています。「いつかはしたい」が30.5%、「するつもりがない」が60.8%でした。防犯対策に関しては、どうでしょうか。「しっかり対策」11.9%、「少し対策」44.5%で、半数以上が玄関周りを中心に対策していましたが、未対策の38.8%は防犯対策に関する知識や情報が不足している様子が伺えました。
さて。未来の住まいの在り方として、当該層に好意的に受け止められた新形態があります。それは「シェアハウス」です。「シェアハウスに住むことも1つの選択肢だ」と回答した人が11.3%。1割を超えたことは見逃せません。「介護度の高くない高齢者がプライバシーを守りつつ共同で生活できるような空き家の活用施設があるとよい」(60歳)、「不動産会社はどんどん新築するよりも貸し手と借り手のニーズをマッチする取り組みが必要」(66歳)などの自由記述もありました。
各人の生活価値観や課題が多様化する中、高齢者住宅にはリフォームや住み替えだけではない多くの選択肢が求められています。住まいの基本価値である安心・安全に加えて、これからの自分に合う住まいを探しています。50~70代女性向けの住宅関連領域は「伸びしろだらけ」と言えるのではないでしょうか。
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