密着:ハルメクお仕事シリーズ 雑誌「ハルメク」編集者 編 有香さんの1日
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女性誌販売部数No.1※雑誌として、多くの読者に支持をいただいている「ハルメク」。
ハルメクは、雑誌だけでなく、コンテンツサイト「HALMEK up」や通信販売、講座イベントなど多岐に渡り事業を行っています。
みなさんに “ハルメクの魅力をもっとお伝えしたい! 仕事を見える化”がコンセプトの「密着:ハルメクお仕事シリーズ」。仕事内容は? 1日のスケジュールは? 気になるあのお仕事を深掘りしていきます。今回は雑誌「ハルメク」編集者の有香さんです!
※日本ABC協会発行社レポート(2024年1月~6月)
雑誌「ハルメク」編集者って何? 具体的な仕事内容は?
部署:ハルメク編集部
担当:雑誌「ハルメク」
肩書:編集者
編集部:雑誌「ハルメク」はまさに会社の屋台骨。毎月180ページもの雑誌を作り上げるのは、どんなメンバーなのか気になります!
有香:ハルメク編集部は、山岡編集長をはじめ、計14名。年代は30~50代とバラバラですが、部員みんな熱心で、良いものを作ろうという気持ちが強い人ばかりです。一緒に働けるのはとても楽しく、パワーに溢れた部署だと思います。
編集部:かなり忙しそうなイメージがありますが、毎月どれくらいのページを担当しているんですか?
有香:特集をメインで担当するかで変わってくるのですが、特集と連載をあわせて20ぺージほどです。私は連載を2本(横山タカ子さん 信州・四季の手遊び/きものリフォーム)担当し、全国各地に出張することもよくあります。
また、「ハルメク」には「ハルメクカフェ」という読者のお手紙コーナーがあり、毎月、編集部員たちがみんなで読者にお電話をして原稿をまとめています。
次号以降の特集の打ち合わせや調査も入ってくるため、同時進行が大変! 毎月、締め切り前はバタバタしています(笑)。
有香さんのとある1日~読者座談会の日バージョン~
編集部:読者座談会は、よく行われるんですか?
有香:そうですね。雑誌「ハルメク」の特徴は、読者世代の悩みなどのリアルな声を誌面に反映しているところだと思います。
たとえば、毎年、人気の「スマホ」特集も、読者の方々をお呼びして、実際にスマホを使っていただき、スマホ操作の何につまずいているのかなどを確認しながら、誌面を作っています。
編集部:座談会のメンバーはどうやって集めるのでしょうか?
有香:主にアンケートに回答してくださった方々や、過去に特集や座談会に出てくださった方々にお声がけしています。
特集内容によっては、ご自宅で数週間ほどプログラムを実践いただいて、ビフォーアフターを撮影する企画もあるのですが、その期間、何度もやり取りをして信頼関係を築けるので、深いご意見やお悩みをお聞きできてとても参考になります。実際にご自宅へお邪魔する企画も多く、読者と距離が近いのもハルメク編集部ならではだと思います。
編集部:ご縁を一度で終わらせない、がハルメク流なんですね。
有香:座談会や取材時に、みなさんといろいろお話しできるのが毎回とても楽しみです。 担当した企画にコメントをいただけることも多く、すごく感動しますし、編集者をやっていてうれしい瞬間です。
この日は、7月号の調査のために、読者6名をお呼びして座談会を開きました。
この座談会で、多くの方々が「睡眠」について悩んでいることがわかり、7月号の「自律神経」特集のメイン企画になりました。この日の座談会参加者にも、読者の実践企画で7月号の誌面に登場いただいています。
取材と原稿書きがメインではない!?
編集部:この日は原稿を書いていないんですね。雑誌の編集というと、取材・撮影&原稿書きというイメージが強いのですが、実際はどうなのでしょうか?
有香:雑誌「ハルメク」は、一つの企画に約半年の期間をかけて、じっくり丁寧に練り上げていきます。一つの特集に対し、“先行チーム”として2名が担当。毎月届く2000枚ほどの読者はがきや読者座談会、専門家への取材などから方向性を見出し、新たな特集案を作ることも編集者の大切な仕事です。
編集部:“先行チーム”になった月は、「取材・撮影&原稿書き」と「リサーチ」、仕事の割合でいうとどれくらいになるんですか?
有香:本当にざっくりですが、半々くらいですね。連載があるので取材・撮影&原稿書きの割合が増えていますが、特集一つを通して見ると、ほぼ大半が調査や打ち合わせなどの準備で、原稿を実際に書く時間は、1~2割ほどと少なめかもしれません。
約5か月をかけて、特集はこうやって作られる!
有香:実際に担当した2024年7月号の「自律神経」特集を例に、企画立案から入稿までの流れをご紹介します!
発売5か月前
- 特集したいテーマ案について、部内でブレストを実施
- 部内ブレストで出てきた特集テーマ案について、どんな悩みがあるかなどWEBアンケート調査
- 特集テーマ案について、読者はがきの質問項目を決定
有香:読者はがきもとても大切にしています。毎月2000枚ほど届くはがきは、ハルメクの財産。編集部内で各自担当して、すべてのご意見に目を通しています。
発売4か月前
- 特集したいテーマのニーズがあるかを知るためのWEB調査質問項目決め、調査実施
- 読者座談会開催
- 特集したいテーマの専門家に、最新事情などを取材
- 調査・取材をもとに、特集の企画構成案を考え、資料を作成
発売3か月前
- 社長も含めた会議で、特集の企画内容について発表
- 編集部員にそれぞれ担当する企画の割り振り
発売2か月前
- 各編集部員が誌面デザインのラフ案を持ち寄り、重複する点がないかなどの打ち合わせ
- デザイナーと特集デザインの打ち合わせ
- 本取材・撮影
- 誌面のデザイン入稿
有香:ここまできて、やっと本取材がスタート! 取材をする際に心がけているのは、読者実践企画であれば、「これは効果があった」「これは難しかった」など本音を伺うことです。
今回の「自律神経」の特集では、「眠れない」という悩みを持つ50代~70代の方々が、誌面で紹介する生活習慣を実践することで、以前よりも眠れるようになったかをレポートしています。
同じ悩みを持つ方が実践していると、「私も試してみよう!」と思ってくださるようで、すぐに読者はがきなどで反響をいただけるのがうれしいです。
発売2か月前
- 広告コピー案作成・打ち合わせ
ヒアリングやテスト出稿を経て、全国紙への出稿へ。
有香:先行担当のときは、新聞広告についても編集部員がコピー案を考え、マーケティング課のメンバーと広告検討会議で話し合います。どんなコピーだと「読みたい」と思ってもらえるか、議論を重ねていくので、よい反応があったときは喜び合い、あまり反応がよくなかったときは、締切ぎりぎりまで改善していきます。
発売1か月前
- 原稿作成
- 印刷所入稿
- 責了
東日本大震災へ思いを込めた絵本企画
編集部:編集部員オリジナルの企画もあるのでしょうか?
有香:編集部員それぞれ興味のある分野があり、その個性を生かして企画を考えています。案を出し合い、編集長やデスクが特集とのバランスをとりつつ決定。私が担当したのは、2024年8月号「心を支えてくれる絵本」という企画です。
編集部:この企画が生まれた経緯について教えてください。
有香:私は岩手県出身で、東日本大震災後、私の故郷も甚大な被害を受けました。
震災2か月後、故郷で読者の方々の取材をすることになり、大変な状況の中で取材をするのはご迷惑だろうとためらっていたとき、ある読者の方が、「雑誌『いきいき(現ハルメク)』を、避難所に送ってください」と、お客様センターにお電話をくださったのです。
そんな状況でも『いきいき(現ハルメク)』を読みたいと思っていただけたのだと、思い切ってご連絡をとり、避難所で取材をさせていただきました。このときのことは忘れられません。
編集部:その時の記事「自分の今いる場所で、前に進む力を取り戻したい」(2011年7月号)がこちらですね。
有香:それからも、全国の読者の方々にお伝えしたい「人」と「体験」の記録として取材を続けてきました。2024年8月号では、大切な人や次世代へと思いをつなぐ絵本として、岩手県陸前高田市で生まれた絵本『ハナミズキのみち』などをご紹介しています。
有香:作者の淺沼ミキ子さんは、津波で息子さんを亡くされ、家族も亡くなった方も悔しい思いをしていると感じ、2年の歳月をかけ、『ハナミズキのみち』を執筆されました。
今回、淺沼さんは、「ハルメク」読者の方々に読んでいただきたいと、読者にこの絵本のプレゼント企画も実施してくださいました。全国の読者が「絵本の読み聞かせをしたい」「孫に読ませたい」などはがきにメッセージを書いて応募してくださって、実際に読者に絵本をお届することができました。
ハルメクに入社した理由
編集部:当時はまだ前身のユーリーグの時代だった頃に新入社員として入社されました。入社当時から雑誌「いきいき(現ハルメク)」をご存じだったんですか?
有香: 母が「いきいき(現ハルメク)」の読者だったので、知っていました。
50代以上の女性向けの雑誌がまだなかった時代に創刊され、読者に一方的にメッセージを伝えるというよりも、「一緒に考えていきたい」という目線で、そこから読者同士、読者と編集部の交流が広がっていくような誌面作りが印象に残っています。
当時、日野原重明先生の連載「生きかた上手」の明るくユーモアあるメッセージにも感銘を受けました。
そんな雑誌に編集者として携わりたいと入社し、通販カタログの編集を経て、「いきいき(現ハルメク)」の編集者になりましたへ。
編集部:当時の編集部はどんな雰囲気だったんでしょう?
有香:今はもちろん、当時も、みな誌面作りに熱心で全力投球でしたね。
新入社員の頃、通販カタログの制作中、当時の上司に、商品について「読者からの良い声だけではなく、悪い声も含めて書いていいんだよ」と言われたことを覚えています。当時から、よく読者の方々に「ハルメクさんだから信頼しています」という声をかけていただいたのですが、そういう姿勢を汲み取っていただいていたのかなと思います。
今後の仕事について
編集部:2016年、誌名が「いきいき」から「ハルメク」へ。有香さんと「ハルメク」、今後の展望について教えてください。
有香:「いきいき」から「ハルメク」と誌面制作を続けてこられたことで、取材でお世話になった方々や読者のみなさま、一緒に働くメンバーと本当に多くの出会いがありました。
毎月、原稿を書いていると、私自身も励まされることが多く、そのおかげで、この仕事を長く続けられてきたのだと思います。「ハルメク」のことを「友達」と言ってくださる読者もいて、そんな存在になっていたらうれしいなと思います。
東日本大震災のとき、「避難所でも読みたい」と思っていただけた方がいらしたように、この先、何かあったときにもふと思い出してもらえる、「ハルメク」を作り続けたいと思います。そして、全国の読者のみなさまとつながりを紡いでいけたらと思います。
ハルメクお仕事シリーズはいかがでしたでしょうか。
ハルメクグループでは全国の事業所で多くの人材を募集しています。この記事を読んで、ご興味を持っていただけた方は、採用サイトもぜひご覧ください。
取材・編集/志保(ハルイロ編集部) ライター/梅津美希
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