プレスリリース

50~79歳男女に聞いた「終活に関する意識調査」 モノよりおカネを遺したいシニア世代、平均金額は3,000万以上 終活に取り組む人、必要だと思う割合はコロナ禍を経て変わらずも、 お葬式は半数以上が家族葬を希望

株式会社ハルメクホールディングス

女性誌販売部数 No.1(※1)の「ハルメク」をグループで発行する(株)ハルメクホールディングス(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:宮澤 孝夫)のハルメク 生きかた上手研究所は、株式会社ハルメクエイジマーケティング(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:木船信義)と合同で、50~79歳の男女2,000名を対象に「終活に関する意識調査」をWEBアンケートにて実施いたしました。
(※1)日本 ABC 協会発行社レポート(2022 年 1 月~6 月)

【 調査サマリ 】

■「終活」が必要と思う割合は、76.8%。しかし「終活」をすでに始めている割合は39.2%。
前回(2021年3月)調査と比較して全体構造に変化はない。
⇒前回調査と比較して「終活」は必要と思う割合そのものが、前回78.4%、今回76.8%で1.6ポイント減少。「終活」は必要ないと思う割合は前回21.6%、今回23.2%で前回調査よりも1.6ポイント上昇。
⇒女性は「終活」をすでに始めている人の割合が前回37.7%、今回43.1%で、前回調査より5.4ポイント上昇。
 ■「すでにやり終えた終活」は、お墓などの死後の準備、財産や家の整理・処分などの割合が前回と比較して減少。なお、健康習慣の開始・見直し、投資信託、株式投資など資産運用の開始が上位にランクイン。
⇒すでにやり終えた終活で「お墓の準備」と回答した割合は、27.7%(10.9ポイント減)であった。
⇒「加入保険の整理」「家具や家の中の荷物整理・処分」「金融口座・金融商品の整理」等の整理・処分の類が前回調査と比較して1.6~4.0ポイント減少。
「健康習慣の開始・見直し」が21.6%、「投資信託、株式投資など資産運用をはじめる」が20.3%と、財産や家の整理・処分より高い割合となった。
■「必要だと思う終活」は、「家具や家の中の荷物整理・処分」「金融口座・金融商品の整理」「衣類やアクセサリーなど身に着けるものの整理・処分」など生前整理の類の他、「健康習慣の開始・見直し」「会いたい人に会っておく」も挙がった。
⇒「家具や家の中の荷物整理・処分」(32.3%)、「金融口座・金融商品の整理」(30.0%)、「衣類やアクセサリーなど身に着けるものの整理・処分」(24.0%)など、整理・処分の「終活」を必要だと思う割合は依然高いが、前回調査と比較して4.3~6.9ポイント減少。
「健康習慣の開始・見直し」は17.7%、「会いたい人に会っておく」は16.5%であった。
 ■半数以上が「遺すものがない」「遺すつもりがない」と回答。「モノ」「コト」より「おカネ」を遺したい人の割合が多く、全体の4割弱に及ぶ。おカネを遺したい人の平均金額は3,127万円。
 ⇒コトは87.4%、モノは78.1%、おカネは62.9%の人が「遺すつもりがない」「遺すものがない」と回答。
⇒おカネを遺すと回答した37.1%(743名)の、遺したいおカネの平均金額は31,269,428円(0円は除いて算出)。
 ⇒遺したいモノ、コトでは、金目のもの、思い出、生きた証が目立った。 
 ■お葬式の形式として、「家族葬」と回答した割合は50.2%。次いで「お葬式はしない」が24.9%。
 ⇒「家族葬」は男女差がなかった。「一般葬」は女性3.5%より、男性7.6%で男性の方が倍以上の割合。「一日葬」「直葬」は男性より女性の割合の方が高い。
⇒お墓の形式として、4割弱が「まだ形式を決めていない」と回答。また「一般的な墓」を選ぶ人が29.2%。

【調査背景】
50代以上の女性のための雑誌「ハルメク」は、長年シニアのインサイトについて調査・分析を行ってまいりました。2021年3月に実施した「終活に関する意識と実態調査」で、「終活を必要」と思う人が約8割いるのに対し、実際に終活を始めている人は4割に満たないことがわかりました。それから2年が経ち、終活に対する意識と実態は変化したのでしょうか?また、終活の実施状況はコロナ禍によって変わったのでしょうか?これらを把握すべく、生きかた上手研究所では、再び「終活に関する意識調査」を実施しました。
※調査主体の「(株)ハルメクホールディングス 生きかた上手研究所」所長への取材、コメント提供も可能です。
 
【調査概要】
調査の方法:WEBアンケート
調査の対象:50~79歳の男女
有効回答数:2,000名(男性1,000名、女性1,000名)  
調査実施日:2023年2月15日~2月28日
調査主体:(株)ハルメクホールディングス 生きかた上手研究所
※本リリース内容を掲載いただく際は、出典「ハルメク 生きかた上手研究所調べ」と明記をお願いいたします。
 

「終活」は必要と思う割合は、76.8%。しかし「終活」をすでに始めている割合は39.2%。前回(2021年3月)調査と比較して全体構造に変化はない。


・ 「終活は必要だと思う」人は、全体の76.8%。しかし、「終活をすでに始めている」人は全体の39.2%であり、2021年調査と比べて全体構造は変わっていない。
・ 2021年調査と比較して「終活は必要と思う」割合そのものが、2021年調査は78.4%、2023年調査は76.8%で1.6ポイント減少。
・ 「終活は必要ないと思う」割合は、2021年調査では21.6%、2023年調査では23.2%と1.6ポイント上昇。
・ 女性を見ると「終活」をすでに始めている人の割合が、2021年調査の37.7%から、2023年調査の43.1%と、5.4ポイント上昇。

「すでにやり終えた終活」は、お墓などの死後の準備、財産や家の整理・処分などの割合が前回と比較して減少。なお、健康習慣の開始・見直し、投資信託、株式投資など資産運用の開始が上位に。

・   死後の準備である「お墓の準備」「葬式の準備」は、2021年調査と比較して「すでにやり終えた」人の割合が減少。特に「お墓の準備」を「すでにやり終えた」人の割合が10.9ポイント減少。なお、年齢別では、差異は見られず、全体と同傾向である。
・   「加入保険の整理」「家具や家の中の荷物整理・処分」「金融口座・金融商品の整理」等の整理・処分の類は2021年調査同様TOP10入りしたものの、1.6~4.0ポイント減少。
・   今回調査から入れた項目の「健康習慣の開始・見直し」が21.6%、「投資信託、株式投資など資産運用をはじめる」が20.3%と、財産や家の整理・処分より高い割合となった。

「必要だと思う終活」は、「家具や家の中の荷物整理・処分」「金融口座・金融商品の整理」「衣類やアクセサリーなど身に着けるものの整理・処分」など生前整理の類の他、「健康習慣の開始・見直し」「会いたい人に会っておく」も挙がった。

・   「家具や家の中の荷物整理・処分」(32.3%)、「金融口座・金融商品の整理」(30.0%)、「衣類やアクセサリーなど身に着けるものの整理・処分」(24.0%)など、整理・処分の「終活」を必要だと思う割合は依然高いが、前回調査と比較して4.3~6.9ポイント減少。
・   「健康習慣の開始・見直し」は17.7%、「会いたい人に会っておく」は16.5%であった。
・   2021年の調査と比較し最もポイントが増加したのは、「会いたい人に会っておく」で、3.1%アップ。

半数以上が「遺すものがない」「遺すつもりがない」と回答。「モノ」「コト」より「おカネ」を遺したい人の割合が多く、全体の4割弱に及ぶ。おカネを遺したい人の平均金額は3,127万円。

・   コトは87.4%、モノは78.1%、おカネは62.9%の人が「遺すつもりがない」「遺すものがない」と回答。
・   おカネを遺すと回答した37.1%(743名)の平均金額は31,269,428円(※「今後の生活や自分の死後のことを考えて、遺したいと思う金額を総額で教えてください。」と聞き、金額を書いてもらい、0円は除いて平均値を算出)。
・  遺したいモノ、コトでは、金目のもの、思い出、生きた証が目立った。男女差では、男性は妻へ、女性は子供や孫へ感謝の気持ちを遺したいという自由記述が目立った。

自身のお葬式の形式として、「家族葬」と回答した割合は50.2%。次いで「お葬式はしない」と回答した割合は24.9%。

・   「家族葬」は、男女差がない。一方で「一般葬」は女性(3.5%)より、男性(7.6%)が倍以上の割合。「一日葬」「直葬」は男性より女性の割合の方が高い。
・   お墓の形式として、4割弱が「まだ形式を決めていない」と回答。また「一般的な墓」を選ぶ人が29.2%。
・   女性は、男性と比較して「海洋葬・山葬(散骨)」や「樹木葬(樹木の周辺に納骨)」と回答した割合が高い。

【専門家の見解】

ハルメク 生きかた上手研究所 所長 梅津 順江(うめづ ゆきえ)
16年3月から現職。主に年間約900人の50歳以上のシニア女性を対象にインタビューや取材、ワークショップを実施

終活は捨てる・減らす・やめるだけではない。見直す・増やす・始める方向の兆しも

 
今回で3度目となる「終活調査」。シニアの終活に対する意識・実態について、変わったこと、変わらないことを整理します。
変わらないことは「終活は必要と思っているものの、既に始めている人は半数程度」という結果。「自分にはまだ早い」「いつかはするが今ではない」と後まわしにする構造は2018年(コロナ前)も、2021年(コロナ禍)も、2023年(コロナ後)も変化していません。
 変わったことは、終活領域の広がりです。前回(2021年)は「●●の整理・処理」など捨てる・減らす・やめる類の終活が伸長。デジタル終活という新たな言葉も生まれました。さて、今回(2023年)はどうでしょうか。「整理・処理」だけでなく、「健康習慣の見直し」「資産運用の開始」「会いたい人に会っておく」など見直す・増やす・始めることも終活として「既にしている」、もしくは「必要」と思っていました。
一見すると、真逆の視点・行為にみえますが、捨てる・減らす・やめることで、見直す・増やす・始める方向に向かえるのでしょう。「お金やモノを整理したら物質的にも気持ち的にも余裕が生まれ、第2、第3の新たな人生がスタートできる」「何かをやめたら余白ができて、次にチャレンジしたくなる」など“減らす・やめる”と“増やす・始める”はつながっています。対立構造にみえるこれらは、繰り返し循環させていくものなのかもしれません。
シニアは歳を重ねても、終活を前向きに捉え、幾度も再生できる素晴らしさに気づきはじめています。うまく循環させながら終活するシニアを想像したら、明るい未来が描けました。

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