プレスリリース

【デジタルデバイスに関する意識と実態調査2023】 シニア女性のスマホ利用率は96.9%。EC、オンライン決済、SNSの利用率上昇が続く。 特にECやオンライン決済の利用は伸びが大きく、70代も半数以上がEC利用の経験あり。 一方、動画の閲覧は有料・無料ともに減少。

株式会社ハルメクホールディングス

 女性誌販売部数No.1(※1)の雑誌「ハルメク」をグループで発行する株式会社ハルメクホールディングス(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:宮澤 孝夫)ハルメク 生きかた上手研究所は、55~74歳の女性454名を対象に「デジタルとネットの活用についてのアンケート」を、郵送での質問紙配布アンケートにて実施いたしました。(※1)日本ABC協会発行社レポート(2023年1月~6月)

【 調査サマリ 】

■シニア女性のスマホ利用率は、昨年比+2.6ポイントの96.9%。また、これまで利用率に大きな変動がなかったパソコン利用率が+7.6ポイントの49.1%となった。一方、スマートウォッチ、スマートスピーカーの利用率は低下した。
⇒全回答者454人の96.9%(440人)がスマホを利用している。パソコンの利用率は49.1%(223人)。
⇒スマートウォッチは、昨年比-1.0ポイントの4.0%(18人)、スマートスピーカーは、-0.9ポイントの1.5%(7人)で、両方とも利用率は低下した。
■EC(ネットショッピング)利用率は、過去最大の52.0%。特に55~59歳の利用率が高く、70~74歳は伸びの度合いが大きい。
⇒EC利用率は52.0%(236人)。55~59歳では72.4%が経験あり。70~74歳は、昨年比+9.4ポイントの37.1%が経験ありと回答。
■動画(YouTubeなど)の利用率は昨年よりダウン、有料サブスク動画の利用率はほぼ変わらず。
⇒2020~2022年まで上昇が続いた動画(YouTubeなど)利用率は、2022年は56.6%だったのが、今年は38.8%(176人)と低下した。
⇒うち、有料サブスク動画に限った利用率は、昨年比-0.1ポイントの9.3%(42名)と、昨年とほぼ同レベルをキープした結果となった。有料動画は、特に55~59歳の利用率の低下が目立ち、-5.4ポイントの10.5%となった。
■SNSの利用率はさらに上昇。特にインスタグラムの利用率は昨年比+4.7ポイントの22.2%に。
⇒インスタグラムだけでなくfacebook、X(旧・Twitter)、の利用率も上昇した。その他では、Pinterestやnoteの利用率は、それぞれ2.0%、1.5%とまだまだ低いレベルである。
■2019年(コロナ前)と2023年の利用率を比較したところ、20.0ポイント以上アップしたのは、オンライン決済・QR決済41.5%(+35.3ポイント)、LINE電話87.6%(2020年~ +28.8ポイント)、動画の撮影71.6%(+23.9ポイント)、ポイ活42.7%(+21.2ポイント)である。
⇒逆に、利用率が下降したのはEメール、2023年の利用率は80.8%だった。
⇒コロナ禍で利用が増えたが近年は低下して“山型”となったのは、YouTube or 有料の動画サービス39.7%、健康管理29.8%(どちらも2020年~に聴取)である。
⇒コロナ禍で利用が減ったが回復した“谷型”となったのは、ラジオ24.2%(2020年以降聴取)、地図アプリ63.7%。

【調査背景】
ハルメク 生きかた上手研究所は、シニアのインサイトについて調査・分析を行っています。
コロナが5類となった2023年、シニアとデジタルとの付き合い方はどう変わったのか。今年も、動画、SNS、ネットショッピングなどの利用実態を調査しました。
※ 本リリース内容を掲載いただく際は、出典「ハルメク 生きかた上手研究所調べ」と明記をお願いいたします。
※ 調査主体の(株)ハルメクホールディングス「ハルメク 生きかた上手研究所」所長への取材、コメント提供も可能です。
 
【調査概要】
調査方法:郵送での質問紙配布アンケート
調査対象:55~74歳の全国ハルメク読者の女性
有効回答数:2023年は454名 ※ 2011年から毎年実施、回答者数は毎年それぞれ異なる。
調査実施日:2023年7月12日(水)~9月4日(月) 
調査主体 :株式会社ハルメクホールディングス ハルメク 生きかた上手研究所
調査結果のパーセンテージは、小数点以下第2位を四捨五入したため、総数と内訳の合計が一致しないことがあります。

シニア女性のスマホ利用率は、昨年比+2.6ポイントの96.9%。これまで利用率に大きな変動がなかったパソコン利用率が+7.6ポイントの49.1%となった。一方、スマートウォッチ、スマートスピーカーの利用率は低下した。

・2023年のスマホの利用率は96.9%で、ほとんどのシニア女性がスマホを利用している。
・昨年までは低調傾向にあった、パソコン・タブレットの利用率がややアップ。特にパソコンの利用率は昨年比+7.6ポイントの49.1%で、シニア女性のおよそ半分が利用している。
・昨年まで上昇傾向にあった、スマートウォッチ・スマートスピーカーの利用率は、今年は低減。スマート
ウォッチは4.0%(昨年比-1.0ポイント)、スマートスピーカーは1.5%(昨年比-0.9ポイント)。

シニア女性のEC(ネットショッピング)利用率は、過去最大の52.0%。特に55~59歳の利用率が高く、70~74歳は伸びの度合いが大きい。

・2023年のEC利用率は、過去最大の52.0%(236人)。年齢別では、55~59歳は72.4%と利用率が高く、70~74歳は昨年比+9.4ポイントと伸長が大きく、37.1%が利用経験ありと回答している。

動画(YouTubeなど)の利用率は昨年よりダウン、有料サブスク動画の利用率はほぼ変わらず。

・2020~2022年まで上昇が続いた動画・YouTube利用率は、今年は、38.8%(176人)と低下した。
・有料サブスク動画の利用率は、昨年比-0.1ポイントの9.3%(42名)と、ほぼ同レベルをキープ。また、有料動画は、特に55~59歳の利用率の低下が目立ち、昨年比-5.4ポイントの10.5%となった。

【動画、YouTube、有料サブスク動画の利用率の聴取方法の変遷】
▼2020~2021年:聴取項目「動画を見る(YouTube、映画・TVなど)」のみ。これを、スマホで/パソコンで/タブレットで/ガラケーで のいずれかで「やっている」と回答した人。聴取項目「有料動画」は、別質問とし、シンプルに契約の有無のみを聴取。
▼2022年:聴取項目を2つに分割。「無料の動画を見る(YouTube、TV見逃しなど)」と、「有料・サブスクの動画を見る(amazon prime、NETFLIXなど)」。これを、スマホで/パソコンで/タブレットで/ガラケーで のいずれかで「やっている」と回答した人。
▼2023年:聴取項目は2つのままだが、表現を「YouTube」、「有料の動画サービス」と変更。また、閲覧手段は、スマホで/パソコンで の2種類のみに変更。この2種類のいずれかで「できる・やっている」と回答した人。

SNSの利用率はさらに上昇。特にインスタグラムの利用率は昨年比4.7ポイントの22.2%に。

・インスタグラムだけでなくfacebook、X(旧・Twitter)、の利用率も上昇した。
・その他では、Pinterestやnoteの利用率は、それぞれ2.0%、1.5%とまだ低いレベルである。

【SNS利用率の聴取方法の変遷】
▼2017~2022年:聴取項目「facebook」、「X(旧・twitter)」、「Instagram」を、スマホで/パソコンで/タブレットで/ガラケーで のいずれかで「やっている」と回答した人。
▼2023年:聴取項目「Pinterest」、「notes」を追加。スマホで/パソコンで のいずれかで「できる・やっている」と回答した人。
※「X(旧Twitter)」表記について:「Twitter」が「X」へと、名称変更したのは、本調査実施時期中の、2023/7/24(月)といわれており、調査票では「Twitter」表記を利用したが、本リリースでは、「X(旧・Twitter)」で表記するものとする。

コロナ前と比べ、利用率が20ポイント以上アップしたのは、オンライン決済・QR決済41.5%(+35.3ポイント)、LINE電話87.6%(2020年~ +28.8ポイント)、動画の撮影71.6%(+23.9ポイント)、ポイ活42.7%(+21.2ポイント)である。

・2019年(コロナ前)と2023年(コロナ後)の、スマホの機能・アプリの利用率を算出。(分母は「スマホまたはパソコン」の利用者)二地点での利用率の差を、“上昇成長型”、“上昇成熟型”、“下降型”、“山形”、“谷型”、“低空飛行型”に分けてみた。“上昇成長型”の中で、20.0ポイント以上の利用率アップとなったのは、オンライン決済・QR決済41.5%(+35.3ポイント)、LINE電話87.6%(2020年~ +28.8ポイント)、動画の撮影71.6%(+23.9ポイント)、ポイ活42.7%(+21.2ポイント)であった。
・逆に、利用が下降したのはEメールで、2023年の利用率は80.8%だった。
・コロナ禍で、一瞬利用は増えたが低下した “山型”となったのは、YouTube or 有料の動画サービス39.7%、健康管理29.8%(注:両者とも2020年から聴取)である。
・コロナ禍で利用が減ったが回復した“谷型”となったのは、ラジオ24.2%(注2020年から聴取)、地図アプリ63.7%である。

【機能・アプリの利用率について聴取方法の変遷】
※1  ~2022年は、地図・ナビゲーション”として聴取
※2 2023年はLINEに関する詳細は別質問で聴取するスタイルに変更
※3  2020~2021年は、”テレビ電話・ビデオ会議(zoom、skypeなど)” として聴取
※4  ~2022年は、”スマホ決済”としてスマホ保有者のみ聴取
※5 ~2022年は、"スマホアプリで物の売買"
※6  ~2022年は、"割引クーポンの入手"として聴取

【専門家の見解】
ハルメク 生きかた上手研究所 所長 梅津 順江(うめづ ゆきえ)
2016年3月から現職。主に年間約900人のシニアを対象にインタビューや取材、ワークショップを実施

ポストコロナにおけるシニア女性のデジタル活用は?

コロナ禍に進化したシニア女性のデジタルリテラシー。ポストコロナのこれからは、どのようになっていくのでしょうか。リアルな活動に戻り、デジタル活用がシュリンクしていくのでしょうか?それとも、オンラインとオフラインをうまく併用していくのでしょうか?
今回の調査から、シニア女性は、使い分けるようになっていることが明らかになりました。また、今後も取捨選択しながら使い分けていくであろうことが予見できます。
コロナ前~コロナ禍~コロナ後の視点で経年トレンドを追うと、上昇、横ばい、下降がはっきり見えました。その傾向を”上昇成長型”、”上昇成熟型”、”下降型”、”山型”、”谷型”と名付けました。”上昇成長型”は「オンライン決済」「LINE電話」「動画の撮影」「ポイ活」「SNS」「ネットショッピング」「Instagram」「Zoomなどのオンライン通話」など、”上昇成熟型”は「調べ物・Web検索」「LINEトーク(メッセージ)」「電話の受発信」「写真静止画の撮影」。「SNS」「Instagram」「LINEトーク」は”下降型”となった「Eメール」からとって代わったと言えそうです。”山型”の「YouTubeなど有料の動画サービス」「健康管理」はコロナバブルがあった、「ラジオ」「地図アプリ」は外出先で活用されていると推察できます。
さて、まだはっきりしていない領域があります。それは、”低空飛行型”としました。具体的には「音楽」「ゲーム」「メルカリなどのフリマアプリ」「電子辞書」「スマートウォッチ」といった類が当てはまります。まだ数字は小さい領域です。これから、化けるのか?それとも、限られた人だけが使う分野なので広がりは見込めないのか?何とも、ポテンシャルの有無が気になります。この結果は、来年以降の楽しみということで。

■ハルメク 生きかた上手研究所のシニアリサーチデータは、「ハルメク シニアマーケティングLAB」で掲載しています。
 「ハルメク シニアマーケティングLAB」は、ハルメク世代(シニア)を顧客とする企業にとって有益な情報をお届けしている情報サイトです。ハルメクグループが提供する定期購読誌や通販等を通じて得たマーケティングデータや記事、シンクタンク「ハルメク 生きかた上手研究所」の調査レポートなど豊富な情報が満載です。

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