ハルイロ(ブログ)

単なるコラボじゃない! 他社との“共同開発”で掴んだ新たな「ハルメク」の生かし方

ハルメクグループの「今」と「未来」を伝えるオウンドメディア「ハルイロ」をご覧いただき、ありがとうございます。

今回は今までにないプロジェクトとして、ハルメク×他社コラボの裏側をインタビュー。プロジェクトリーダーとして取り組みを支えた、哲さんにお話をお聞きしました。


プロジェクトリーダーの哲さん。完成したメガネと一緒にパチリ。

(編集部)ハルメク×他社コラボの内容を、具体的に教えてください。

(哲さん、以下:哲)メガネ、コンタクトレンズ、補聴器の販売およびその他関連商品の販売を行う「眼鏡市場」さんとのコラボ商品の開発です。

(編集部)雑誌社のコラボ商品っていろいろなところでやっている気がするのですが……そのあたり、ほかとは違うこだわりなどはありますか?

(哲)単に名前をお貸しして商品を一緒に作るだけじゃなく、ハルメク世代の女性が本当に欲しいメガネのインサイトを掘り出し、ブランドコンセプトも含めて総合的に開発をお手伝いしました。女性誌No.1※の販売実績を有する雑誌「ハルメク」と、その原動力となる顧客理解の推進を担ってくれるシンクタンク「生きかた上手研究所(以下、生き研)」があるハルメクグループだからこそできた、新しいコラボの形だと思っています。

※日本ABC協会発行社レポート(2022年7月~12月)

(編集部)確かに、徹底したマーケティングリサーチを行っている「生き研」は、シニア女性へのノウハウをたくさん持っていますよね。クライアントの「眼鏡市場」さんは、シニア女性に対して課題をお持ちだったんですか?

(哲)はい。この共同開発の話が持ち上がった当時、ハルメク世代の60歳前後の市場が拡大しているのに反して、「眼鏡市場」さんでは該当世代の顧客数減少という課題を抱えておられました。要因の仮説として、商品鮮度の低下や顧客ニーズとのミスマッチ、顧客に対するメディア露出不足など複数の課題がありそうだということで、どうしようか悩まれているとき、シニア世代に独自の調査パネルを持っているハルメクに声がかかりました。そこで、「生き研」の梅津所長に打診したらノリノリでオリジナルの課題解決のスキームを組んでくれました(笑)。


ハルトモさんへのリサーチの様子。対面でヒアリングすることで、電話やアンケートでは拾えない声が聞こえてくる。

(編集部)「生き研」も最初から熱が入っていますね!最初はどこから始めたのでしょう?

(哲)最初は、先方のデータを徹底的に調査してどういう課題があるのかさらいました。「生き研」が「このままだとよくないです」と熱っぽく示唆を語ってくれて。先方には耳の痛い調査結果もあったと思いますが、ご担当者が製造部門、マーケティング部門など社内各部署の調整に奔走してくださったおかげで、その後のリサーチ、コラボ開発に繋がっていきました。


生ぬるい市場調査は論外 徹底的な読者理解で道が拓ける

(編集部)そこから先はハルメクの読者である「ハルトモ」さんをモニターに、リサーチを実施していったわけですか?

(哲)そうです。ハルメクには3,000人(当時)規模のモニター「ハルトモ」さんが在籍しており、今回は7名の方に座談会にご参加いただきました。3回実施しまして、1回目はメガネに対するお悩みや使い方、デザインや色の好みを徹底的にヒアリング。2回目は、1回目の意見を参考に作成したデザイン画やサンプルを見比べながら、さらに意見交換。3回目は、より実物に近づいたデザイン画のチェックや、試作メガネの試着で感じた意見を出し合ってもらいました。


パーツごとに気になる点を指摘するハルトモさんたち。みんな真剣なまなざしです。

(編集部)想像以上にハルトモさんも商品開発に絡んでいるんですね。ざっくりメガネの意見とかもらって終わりかと思いました。

(哲)めちゃめちゃ深く関わってもらいました。たとえば、完成品のここを見てください。

(編集部)あ、つるの端っこの色だけ違うんですね。

(哲)そう。さまざまなご意見の中で、“メガネを置いたときにチラッと見えるのがかわいい”というお声が出たんです。置いたシーンの想定なんて、なかなかメーカーサイドから出てこない発想だと思うんですが、そんなことまで気にするんだという新たな驚きがありました。

(編集部)細部まで考えを詰めないとなかなか出てこない意見ですよね。


つるの先端がピンクなのがキュート。「かけたときにチラッと見えるのもかわいいね」と、盛り上がったそう。

(哲)読者さんを対象としたグループインタビューじゃないと、こういう率直な意見って出てこないんですよね。ハルトモさんは言葉を選ばず言うと、企業さん側に忖度しません。好奇心旺盛で、自分たちの思いを言葉にするのが得意な方々ばかりです。

彼女たちは率直なご意見をズバッと言ってくれるので、シニアの本当の気持ちを知りたい企業側としてはアンメットニーズ(潜在ニーズ)を教えてくれる存在なんだと思います。そういうモニターを普段から醸成してくれている「生き研」の努力のたまものですね。厳しい意見も飛び出すので、営業サイドの僕としては内心ひやひやでしたけど(苦笑)。

(編集部)そういう一見辛辣な意見が出たときは、営業としてどういうフォローを入れるんですか?

(哲)“厳しい意見も絶対御社のためになるので”と言い続けていました。徹底的に分析することで、必ずいいものになる確信はあったので、諦めないで任せてほしいと伝えていました。

(編集部)なるほど。そういった試行錯誤があって、どんなメガネがハルメク世代にとって“理想のメガネ”になったんでしょう?

(哲)大まかに「顔を明るく華やかに見せたい」「若々しい印象を与えたい」「シミ・シワを目立ちにくくしたい」というインサイトが出てきました。なので、コンセプトは「かけるだけでお化粧をしたみたいに品よく華やかさを演出してくれるメガネ」に。メガネをかけることで、より一層自信を持っていただけるような商品に仕上げていきました。

(編集部)名前もかわいいですね。『I-grace(アイグレース)』。

(哲)でしょ(笑)。「I=自分」と「grace=優雅さ、優美さ」を掛け合わせた造語です。こちらのブランド名もハルトモさんに選んでいただいたんですよ。


完成した「I-grace(アイグレース)」。メガネの形や色はさることながら、メガネを拭くときに使うセリートと呼ばれる布のデザインまで、ハルトモさんに評価してもらいました。

シニアの女性に本当に“刺さる” ってどういう商品なのか?

(編集部)『アイグレース』を発売して、結果どうでしたか?

(哲)売上が好調だったこともあり、1年後に第2弾のメガネを出しました。特設コーナーを作っていただいたりと、「眼鏡市場」さんにいろいろ工夫していただいたことも大きいですね。

(編集部)第2弾もこれまた素敵! 2回の共同開発を経て、今後はどういう関わり方をしていく予定ですか?

(哲)商品のラインナップはしっかり作れたので、今後は店舗のサービスの精度を上げられないかなと思っています。発売後、『アイグレース』の売り場がわからなかったというお声をいただいたので、ハルメク世代のお客さまが来店しやすい店づくりや入りやすい導線、ハルメク世代への適した接客などをお手伝いできたらと構想しています。

(編集部)課題はまだまだあるということですね。こういった共同開発は、全社的に見ても例を見ない取り組みだったと思いますが、やってみた感想はどうですか? 商品開発なんてやったことなかったですよね?

(哲)そうですね。営業なので商品づくりの根幹に携わることは今までなかったので、クライアントの上流の課題からダイナミックに関われたことはすごくやりがいある仕事でした。広告営業って、いい商品を広告を通して読者に届けることが本業ですが、今回ゼロベースから携わることができて、なおかつ最終的には誌面広告として読者に届けられたので、上流から下流までぜんぶ経験でき、ハルメク世代の考え方を掘り下げて学べたことがとてもおもしろかったです。ぜひ、ほかの営業メンバーにも体験してほしいと思います。


最後は本業の誌面広告に落とし込む。最初の共同開発が実を結ぶまでに約1年。感激もひとしおだったそう。

(編集部)ハルメクグループ全体にとっても、すごくスタディのある取り組みでしたね! これからも広がっていくであろう共同開発、とても楽しみです! ありがとうございました。


いかがでしたでしょうか? このインタビューを読んでハルメクグループで一緒に働いてみたいと思った方は、ぜひ採用サイトをご覧ください!

取材・文/ゆりか 写真/貴嗣(ともにハルイロ編集部)


ニュース一覧