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ハルメクグループが目指す「2030 ゴール」とは?社長の宮澤に話を聞きました

ハルメクグループの「今」と「未来」を伝えるオウンドメディア「ハルイロ」をご覧いただきありがとうございます。
ハルイロ初登場! 代表取締役社長の宮澤に、「ハルメク 2030ゴールプロジェクト」を通じて決まった2030年の「ゴール」について、その意図や思いを聞きました。

「ハルメク 2030ゴールプロジェクト」とは、2021年7月に始まったプロジェクトです。ハルメクグループが社会から愛され、期待される企業へとさらに飛躍するために、未来のゴールを設定し、その時の会社の姿と現在とのギャップを明らかにしていくことが主旨のプロジェクトです。
インタビューをご覧いただく前に、プロジェクトで決まったことは以下の通り。
まずゴールメッセージは、

シニア女性を幸せにする

紆余曲折の後、最終的に何を実現したいのかを表した内容は洗練されたシンプルなものになりました。そして、それを実現するための事業方針はこちら。

「シニア女性を幸せにする」ために、今までは情報コンテンツと物販を中心に貢献してきた。今後も、情報コンテンツや物販を進化させると共に、それだけでは満たされないニーズに対応するために、「サービス」と「コミュニティ」の拡大にも注力していく。

というもの。では、掲げたことを実現するためにどんな強みを持っているのか?というと

深い顧客理解をベースにして、情報コンテンツ、物販、サービス、コミュニティの4つが互いに連携し合うことによってニーズを満たせること。

何よりこのゴールを達成するために、従業員の皆さんに期待することは

ハルメクの強みを従業員全員が認識して、積極的にそれらを使いこなすことで会社と自分自身の成長を実現していく。

となりました。では、このメッセージにどんな思いが込められているのか。以下インタビュー記事をご覧ください。

ハルメク 2030ゴールプロジェクトとは?

(編集部)改めまして、「ハルメク 2030ゴールプロジェクト」の経緯について教えてください。

(宮澤)きっかけは入山さん(広報室長)が「2030年ゴール」を作るべきだと騒ぎ始めたこと(笑)。「50 代からの女性がよりよく生きることを応援する」という経営理念があり、経営陣はゴールは明確だという認識が元々あったので、当初はそんなものいるのか?という思いを持ちながら議論を始めたというのが正直なところ。ただ、議論していくうちに「50代からの女性がよりよく生きることを応援する」というのはやや曖昧であるなと。当初は経営理念は変えず、通過点である2030年や40年のゴールをはっきりさせることを目的としていましたが、結果的に経営理念をより明確にしたものになりました。私自身は経営理念自体を今回設定した「シニア女性を幸せにする」に変更してもよいのではないかと思っています。

(編集部)ゴールを設定する意図についてはいかがですか?

(宮澤)まずは上場を目指している中で、私たちが何を実現しようとしている会社かということをはっきりさせる必要があったこと。また、ステークホルダーである投資家や採用候補者、新しく入ってきてくれた社員・従業員に対しても、私たちが何を目指し、どういう価値を生もうとしているのかを明確にする必要がありました。

(編集部)中期計画などと今回のプロジェクトの意味合いの違いはありますか?

(宮澤)中期計画は財務的な売上や利益などの数字を積み上げて作っています。また、昨年開始した「ハルメク365」やその前に始めた「靴事業」など、具体的な取り組みも決めています。一方、今回のゴールプロジェクトは、今後の成長戦略をある程度の幅の広さを持って、こういう方向に向かっていくんだ、成長していくんだという思いをまとめたものになります。

ゴールを実現するためのキーは何か?

(編集部)このゴールを達成していく上でキーになることは何だと考えられていますか?

(宮澤)大きく言うと「既存の事業を進化させること」と「新しい事業を始めること」の2つだと思います。
既存の事業を進化させるという意味では、コンテンツ事業。今やメディア業界がびっくりするほど絶好調な雑誌「ハルメク」ですが、今後5年間伸び続けられるかと問われたら、マクロ環境を考えると限界があると思っています(ずっとそれを超えてきているのでビックリしてるんだけど)。今の40代、50代の人たちが習慣として雑誌を読んでいるかというと、そうではない。情報を集める手段のメインはネットに置き換わってきているので、やはり有料でもネットでコンテンツを読みたいと思ってもらえる形を模索して、進化していかなければいけないですね。
通販事業も同じ。私たちは特色のある通販はやっているけれども、販売手法もネット化してどんどん変わってきているし、いろいろな会社が売り方や商品をどんどんレベルアップしている中で生き残っていくのはやはり大変。だから、既存の2大事業であるコンテンツと通販が進化していくことはとても重要です。
新しい事業を始めるという意味では、まだまだ手を付けられていない「シニア女性を幸せにする」ための新しい領域に挑戦していきたい。新規事業は進化というよりもゼロから作っていく事業なので、進化させることとはまた違った大変さがある。例えば「一生自分の足で歩く」というコンセプトで始めた靴事業は、存在しなかったところから成功と失敗を繰り返しながら、右肩上がりの成長ができています。
どちらも、何が最も難しいかというと現在の延長線上ではなく、不連続な成長をしなければいけないこと。そのためにも、どんどん自分自身を進化させようと思ってくれる人が今よりももっと増えてくれることがキーだと思っています。

(編集部)社員・従業員が自分自身を進化させるために大事なことは何だと思いますか?

(宮澤)これは実は簡単で、人事制度で掲げているアクト(ACT)です。
※ACTとは、Action、Challenge、Teamworkのこと。
アクションは、ビジネススキルと責任感を持ち、きちんと計画を立ててやりきっていくということですね。
チャレンジはとても重要。より高い目線で新しいものを創造すること、今の業務をよりよくするにはどうすべきかを考えることに加えて、不連続な成長に向かっていくことが必要です。
例えば、通販の「ものは少なく、暮らしは豊かに」というライフスタイル提案していくなかで、それを実現するためにサブスクリプションモデルのような取り組みができないかとか。既存の枠を広げる、壊して新しいサービスを作っていくようなチャレンジはこれから本当に重要です。
チームワークは、従来の延長線上ではないことを1人でやるのは難しい。みんなが同じ方向を向いて取り組むためにもチームワークは重要だと思っています。

(編集部)これまでの話を伺うと、新規を「創造する」ことと、既存を「変革する」ことの2つの要素があったと思いますが、宮澤さんの中で期待する比率はいかがですか?

(宮澤)イメージとしては8が創造で、2が変革なんだけどね(小声)。

(編集部)今は創造することをもっとみんなに求めたいということですね?

(宮澤)まだまだ課題はたくさんあるとはいえ、従来のものをよくするという点では結構良いものができあがりつつあると思っています。なので今、敢えて言うとしたら創造ですね。

(編集部)創造をするためにはチャレンジが大事ですが、リスクを懸念して一歩踏み出せないことも実際の現場では多々あるかと思います。チャレンジとリスクの関係はどのように考えられていますか?

(宮澤)チャレンジにリスクはつきもので、リスクを取ることは全く問題ないです。チャレンジするときは「うまくいく可能性」と「失敗する要因」を見ていくことが重要で、リスクは何かというと、最終的にはそのダメージが会社を潰すほど大きいものかどうかということ。
例えば初年度5000万の赤字が出ますと言っても今のハルメクだったら潰れない。実際、ハルメクWEBも、靴事業も当初は大きな赤字を出してスタートしました。新しいことを始めるときはそういうものだと思います。ただ、チャレンジは根性だけでやるのではダメで、それは本当にベストな方法なのか?可能性はあるのか?どういうやり方をしたら成功する確率が高まるのか?を吟味することが大事です。
一方で、課や部などの単位だと売上・利益目標があり、達成を目指すことは重要なので、それとは別の次元でやっていけばいいと思っています。プロジェクトとして立ち上げて、採算は既存のチームにつけるのではなく、別会計にするというのは全然問題ない話。
筋がいいアイデアや、この会社にとって絶対に必要なアイデアなら、多少のリスクがあったとしても、私はリスクテイカーなので全然構わないです。
逆にそうした私の考え方が浸透していないのだとしたら、もっと発信していく必要がありますね。

「シニア女性を幸せにする」とは?

(編集部)ゴールで掲げられた「幸せ」にはいろいろな尺度があると思いますが、ハルメクのお客さまがどういう状態であれば私たちが幸せを提供できていると考えられるのか、その時に社員・従業員はどういう状態になっていると思いますか?

(宮澤)幸せの形は人それぞれ個人差があって、1つに決めつけることはできません。ハルメクができることは、さまざまな幸せの形、あるいはその幸せに到達するための方法をお手伝いすることじゃないかと考えています。尺度という意味では難しいですが、わかりやすいところでいけば人生における満足度だと思います。
お客さまからハルメクとお付き合いしていてすごく嬉しいですとか、ハルメク好きですとか、励まされていますとか。そういう言葉をかけていただけるような存在でありたいですね。
社員・従業員についても、幸せになってほしい。この幸せにもいろいろな形があるけれど、やっぱり仕事のおもしろさとやりがい、そして家庭。家庭について直接関与できるものでははないけれど、家庭が幸せになる上で一つ大事な要素は、経済的に社員が豊かになることで、会社として社員にできることはこの部分だと思っています。
仕事の上でのやりがいというのも、幸せの感じ方と一緒で千差万別だと思います。例えばお客様センターできちんとお客さまに対応して、喜んでもらえる日々に幸せを感じている人もいるだろうし、新しい事業を作ることに幸せを感じる人もいるでしょう。人によってやりがいは違うのでそれを叶えていく会社で在りたいですね。
今、会社のフェーズとしては新規事業のように成功するかどうかわからないけど新しいことにチャレンジしたい人が出てくることを期待しているし、そうした人が思い切ってチャレンジできる環境を作っていきたいと思っています。
新しい事業を創造しながら、社員が経済的にも豊かになるためには、既存の事業がきちんと利益を出さないといけない。その利益の一部は今でも社員にボーナスという形で還元していますが、やっぱり理想はベースを上げること。将来はハルメクグループで働いていれば経済的に恵まれていると思ってもらえるような会社にしたい。そのためには、やっぱり皆で付加価値を上げていかないとね。

ハルメクグループの未来はどう在りたいか?

(編集部)ハルイロは今と未来を伝えていくのがコンセプトです。これまでのお話でも未来のことを語っていただきましたが、改めて総括するといかがでしょうか?

(宮澤)社員・従業員の皆さんから、チャレンジする人が1人でも多く出てくることを期待しています。それは新しい事業を作るという意味でもそうだし、既存のものを改革するという意味でもそうです。
特にゼロからイチを作るのは本当に大変なことだと思うので、日々の業績を気にせずにできるような仕組みを用意して、チャレンジできる環境を作っていきたい。そして、皆さんが改革であれ、創造であれ、自分なりに工夫してやってみたいと思うようになってほしいし、ビジネスパーソンとしてのスキルを積み上げていってくれたらいいね。
ゴールのメッセージとして掲げた「シニア女性を幸せにする」ためには、いろいろなことをやっていかないといけない。1人の人を幸せにするには健康だけじゃダメ、お金だけでもダメ。生きがいも必要だし、社会との関係性も必要。オシャレすることも大事ですよね。
そういう意味で、私たちのやっているビジネスの領域というのは非常に広い。それをどんどんグループの子会社がやっていき、グループが拡大していく。でも、100社になろうが1万人の従業員になろうが、一つだけ変わらないのは「シニア女性を幸せにする」という思いを共通に持っていること。横の連携をしっかりして、その世界を実現できるような会社グループにしていきましょう。

(編集部)最後に来年の宮澤さんのテーマを書に託していただけますか?

(宮澤)えー、字を書くの苦手なんだよ(笑)。これが一番の挑戦だな。55年ぶりに筆で書いた気がする。2023年は「挑む」で行きましょう。

(編集部)ありがとうございました!

【編集後記】
新年最初の記事はいかがでしたでしょうか。ハルメクグループが目指す世界(ゴール)は、抽象度が高い「シニア女性を幸せにする」になりました。社内で発表した際の従業員からの評判は、普段から思っていることが言語化されたということで上々でした。この掲げたゴールを達成するためには、今の事業を変革することも重要ですが、創造へのチャレンジも重要です。社員・従業員はもちろんのこと、この環境でぜひチャレンジしたいという方は、ぜひ採用サイトからエントリーしてください。お待ちしています。

取材・文/入山・編集部員 写真/中西裕人

【後記の後記】
最後の習字ですが、以前から字を書くのは絶対NGと言われていたのですが、新年企画ということで無茶振りしてしまいました(恐)。そんな無茶ぶりにも、応えてくれる心優しい社長に編集部一同、皆感動したというお話でした。

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